【躍進ニッポン】<下>20年東京につなぐ今後のテーマは“夏冬一体”

スポーツ報知
特設ステージでの帰国報告会に出席し大勢のファンに迎えられた日本代表選手ら

 フィギュアスケート男子は羽生が同種目で66年ぶりとなる連覇を果たし、2位の宇野昌磨と初のダブル表彰台を成し遂げた。女子も宮原知子が4位、坂本花織が6位と健闘。国内の激しい競争を勝ち抜いたたくましさが光った。

 女子は金メダルのアリーナ・ザギトワ、銀のエフゲニア・メドベージェワらロシア勢との差をどう埋めるかが課題になる。日本を含め世界ではジュニア世代が大技の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)や4回転を構成に入れ始めている。小林芳子監督(62)は「国内で切磋琢磨(せっさたくま)して競技力を上げていく。各選手のコーチと連携を取りながらロシアを追いかけていきたい」と話した。

 氷上競技がメダルを量産した一方、雪上競技は苦戦を強いられた。スキーでは、ジャンプ男子は前回ソチ大会は葛西紀明が個人ラージヒル銀、団体も銅だったが、今大会はノルウェー、ドイツ、ポーランドの“3強”に歯が立たなかった。皆川賢太郎競技本部長(40)は「(強豪国は)国レベルのメソッドがちゃんとしているから1番手も4番手も同じように飛べる」と分析した。

 新種目のスノーボード・ビッグエアで表彰台ゼロも誤算。「どこまでやればメダルになるのかを逆算した準備を、組織的にやれていなかった」と皆川本部長。男子は国武大晃、大久保勇利が予選敗退。女子も16歳の岩渕麗楽の4位が最高だった。スノーボードは男子ハーフパイプの平野歩夢が獲得した銀1つ。スキー&スノーボードは屋外競技のため強風や極寒に影響されたが、条件は他チームも同じだ。

 JOCは6月にも夏冬各競技の担当者を一堂に集めた会議を開催し、成功事例や失敗事例を検証する。22年北京五輪へ再出発する冬季競技と、自国開催の20年東京五輪へ強化の佳境を迎えている夏季競技。“夏冬一体”が、今後の最重要テーマになっていく。

(おわり)

スポーツ

×