羽生結弦に国民栄誉賞 冬季五輪メダリスト初&個人最年少受賞

2018年3月3日6時0分  スポーツ報知
  • 平昌五輪でフィギュア男子2連覇を達成した羽生結弦

 平昌五輪のフィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇を果たした羽生結弦(23)=ANA=に、国民栄誉賞が授与される方針が固まった。

 菅義偉官房長官が2日の記者会見で、安倍晋三首相が授与検討を指示したと発表。右足首のけがを乗り越えて国民に感動や勇気を与えたことが評価された。実現すればスケート界、及び冬季五輪の金メダリストとしても初めてとなる。個人としては最年少での受賞となる見通しだ。

 全てを懸けて2つ目の金メダルを手にした羽生に新たな、そして最大級の勲章が加わる。菅氏は「五輪連覇は社会に明るい夢や希望を与え、東日本大震災の復興への力強いメッセージとなった」と授賞の意義を強調。政府は首相指示を受けて有識者の意見を聴取の上で正式決定し、授与式の日程を調整する。

 羽生は14年ソチ五輪で、フィギュアの日本人男子として五輪史上初の金メダルを獲得。昨年11月の右足首の負傷を克服し、平昌では同種目で66年ぶりとなる連覇を達成した。菅氏は会見で「まさに歴史に残る快挙だ」とたたえた。

 4歳でスケートを始め、11年に地元・仙台市のリンクで練習中に東日本大震災が発生。小学校の体育館での避難生活を送った経験もある。「スケートを本当にやめようと思った」という時期もあったが、自らのスケートに打ち込む姿が復興への力となるとの信念で、大舞台で結果を出してきた。

 スケート界からは喜びの声が上がった。所属先のANA・城田憲子監督は「これだけつらい道を歩んできた。(賞という形で)政府から認められ、感激はひとしお」と声を弾ませた。羽生が小学生時代に師事した都築章一郎コーチは「驚きです。すごい。苦難の中で頑張ってきた。結弦自身も喜んでいると思う。未来へ向けて挑戦し、新しい羽生結弦を作ってもらいたい」と期待を口にした。

 国民栄誉賞は1977年に創設され、スポーツや芸能、文化などの分野で功績を挙げた26の個人・団体が受賞している。2月13日には将棋界史上初の「永世7冠」を成し遂げた羽生善治、囲碁で初めて7冠独占を2度果たした井山裕太両氏に贈られた。五輪の金メダリストではレスリング女子の吉田沙保里、伊調馨、柔道の山下泰裕、女子マラソンの高橋尚子に授与されているが冬季五輪の選手では初めて。23歳は個人では最年少(団体ではサッカー女子・岩渕真奈の18歳)となる。

 羽生は現在、痛めている右足首の治療に専念するため国内に滞在中。19~25日までイタリア・ミラノで行われる世界選手権は、大事を取って欠場が濃厚となっている。4月には地元・仙台で優勝パレードも計画されているが、大きなお土産を持ち帰ることになりそうだ。

 ◆国民栄誉賞 広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった人物、団体の栄誉をたたえる賞で1977年に創設。内閣総理大臣による表彰のひとつで、民間有識者の意見を聞いた上で決定する。慣例として100万円相当の物品が副賞として贈られる。これまでスポーツ、文化、芸能関係者25人(うち12人は没後受賞)と1団体(11年サッカー女子W杯日本代表)が受賞している。

 ◆羽生 結弦(はにゅう・ゆづる)1994年12月7日、仙台市生まれ。23歳。射手座にちなみ「弓に結ばれた弦のように凜(りん)と生きて」と名付けられた。14年ソチ五輪で日本男子初のフィギュア金メダル。世界選手権は14、17年に優勝。13~16年にGPファイナル4連覇。SP、フリー、合計でいずれも世界歴代最高記録を持つ。172センチ、57キロ。

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