チーム富士急、“カー娘”超え宣言「金メダル取る」…女子世界選手権

スポーツ報知
世界選手権に臨むチーム富士急(左から小谷優、小谷有、小穴、石垣、西室)

 カーリングの女子世界選手権(カナダ・ノースベイ)が17日(日本時間18日)に開幕。富士急行カーリング部「チーム富士急」が初出場する。日本選手権(1月28日~2月4日、北海道)で初優勝を果たし、日本代表として出場権を獲得。2010年8月のチーム発足後、初となる大舞台では、平昌五輪カーリング女子で日本勢初の銅メダルを獲得したロコ・ソラーレ(LS)北見に背中を押されながら、16年2月に死去した小林宏元GM兼ヘッドコーチが掲げた「トップ・オブ・ザ・ワールド」を目指す。

 今度は私たちの番だ! 世界選手権へ向け、チーム富士急が燃えている。日本選手権では、平昌五輪代表のLS北見が不在だったが、初優勝。10年8月のチーム発足時から在籍する甲府市出身の小穴桃里(とうり、22)は、公式戦で初となる世界大会だけに、「(世界まで)長かったですね」と喜びをかみ締めた。

 同五輪でのLS北見の活躍により、カーリング界が盛り上がるなか、その勢いを加速させる。北海道北見市常呂町出身で、LS北見の鈴木夕湖と吉田知那美と常呂小、常呂中の同級生だった石垣真央(いずれも26)は、「同級生が五輪に出場してメダルを取ったという快挙はとても感動しました。2年前(16年世界選手権)にロコ・ソラーレさんが取った銀メダルより上の金メダルを取って帰りたいです」とLS北見超えを目指すことを宣言した。

 さらに選手たちは、五輪期間に韓国へ行き、同じ富士急所属でスピードスケートの菊池彩花(30)を応援。日程の関係もあり、観戦できたのは1500メートルで、金メダルを獲得した女子団体追い抜きは現地で見られなかったが、小穴は、「(金メダルは)すごくうれしかったです」と刺激を受けた。

 恩師への思いもある。16年2月には、チーム発足時からGM兼ヘッドコーチとして携わってきた元女子日本代表監督の小林宏氏が闘病の末、68歳の若さで死去。同氏が掲げてきた「トップ・オブ・ザ・ワールド」という目標は、今でもチームの“軸”となっている。小穴は、「(小林氏は)すごくカーリングが好きで熱い人でした。私たちはずっと世界のトップを目指してやってきているので、世界選手権は世界に挑めるスタートライン」とブレることのない気持ちを語った。

 日本代表として臨む今大会。発足8シーズン目でついに世界へ羽ばたく。(古川 浩司)

 ◆富士急行カーリング部「チーム富士急」 2010年8月に、元女子日本代表監督の故・小林宏氏をGM兼ヘッドコーチに迎え、14年ソチ五輪を目指し、「チーム・フジヤマ」として発足。15年に「チーム富士急」に改称。山梨県を拠点としている。

 ◆5月出産控え欠場する西室の為にも勝つ

 発足からチームを引っ張ってきたリーダー・西室淳子(37)は、5月に出産を控えているため、世界選手権を欠場する。「みんなと一緒に行けず、成長を見られない寂しさはありますが、みんなを信じているので」と日本から声援を送る。夫の西室雄二コーチ(34)は、「いい結果を持ち帰りたいと思います」と語った。

 西室の代わりには、ライバルでもある14年ソチ五輪代表・北海道銀行の小野寺佳歩(26)がリザーブとして臨時加入。「いつでも出られる準備をしっかりしたい」と意気込んだ。

 ◆小谷姉妹は本番に向け気合

 姉妹で世界選手権に出場する姉・小谷優奈と妹・有理沙。優奈は、「妹もうまくなっているので、いい刺激になっています」と同じチームでプレーすることを自らの成長にもつなげている。昨年5月にチームに加入した現役高校生の有理沙もリードとして、「自分がミスをすると試合も変わってしまうので、ちゃんと指示通りに投げられるように頑張りたいです」と本番へ向け気合を入れた。

 ◆練習拠点で体験も可

 「チーム富士急」の練習拠点でもある「Curlplex Fuji」(山中湖村)では、初心者でも受講可能なカーリング体験をすることができる。同施設は、日本初のオールシーズン営業のカーリング専用リンクとして05年にオープン。平昌五輪でのLS北見の活躍もあり、施設関係者は、「体験してみたいというお問い合わせをたくさんいただいています」と話した。詳細は公式HPで。

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