高木美帆、W杯総合Vから故郷凱旋「気持ちの回復を優先」現役は続行

スポーツ報知
笑顔で3つのメダルを披露する高木美帆

 スピードスケート女子の高木美帆(23)=日体大助手=が20日、日本勢初の総合優勝を飾った世界選手権(オランダ)とW杯最終戦(ベラルーシ)から帰国した。平昌五輪では団体追い抜き金など金銀銅の全色メダルを獲得しており、快挙ずくめのシーズンは終了。今後に向け、「気持ちの回復を優先したい」と充電期間に入ることを表明した。地元の北海道にも約2か月半ぶりに凱旋し、とかち帯広空港で熱烈な歓迎を受けた。

 金銀銅メダルを獲得した平昌五輪から帰国したものの、北海道には戻らずに海外の次の戦いに向かった高木美が、帰ってきた。日本人で初めて世界選手権を制し、W杯では1500メートルと全種目合計の総合優勝を決めた。「いい形で終わることができた。今年1年はいろんな角度から見ても濃かったなと思う。そういう時間を過ごせたことは幸せ」。輝かしいシーズンをかみしめるように振り返った。

 成田空港に降り立った6時間後には、元日以来の帰郷もかなった。市街地から車で約40分かかるとかち帯広空港では、出身地の幕別町や帯広市から集まった約350人が歓迎。花束を受け取った高木美は「びっくりした。喜んでる姿を見られて、頑張って良かったと実感できた」と感謝した。同町では姉で五輪2冠の菜那とともに、栄誉をたたえるパレードが4月22日に開催される。町関係者によると、世界選手権優勝で得た「クイーン・オブ・スケート」の称号にちなんだ銘菓を作り、地元の名産にするプランも浮上するほどの盛り上がりとなっている。

 スケートに生活の全てをささげてきた高木美。現役は続行するが、当面は「次に向かって頑張っていくための気持ちの回復を優先したい」と充電期間に入る。世界女王となったことにも「私の中ではそのような意識は全然ない」ときっぱり。「これからの時間が、今年のこの成績の価値を決めていくと思う。これからも自分より上にいる人たちを超えていけるような過ごし方をしていきたい」。日本スケート界の歴史を変える数々の偉業を成し遂げても、これまで通り謙虚に自分を高め続けていく。(林 直史)

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