SP3位発進の宮原「今季最後の試合悔いなく終わりたい」
◆フィギュアスケート世界選手権第1日 ▽女子ショートプログラム(21日・ミラノ)
女子ショートプログラム(SP)は平昌五輪4位の宮原知子(19)=関大=が74・36点で3位発進した。樋口新葉(17)=東京・日本橋女学館高=は65・89点で8位。来年の世界選手権での3枠復活へ圏内につけた。地元のカロリナ・コストナー(31)が80・27点で首位。平昌五輪金メダルの15歳のアリーナ・ザギトワ(ロシア)は79・51点で2位。女子フリーは23日に行われる。
惜しくも表彰台に届かなかった平昌五輪から約1か月。日本女子のエース、宮原は「平昌の時以上の演技ができればメダルも目指せる」と今大会を迎えた。目標に突き進む芸者の姿を描いた映画「SAYURI」の音楽に乗って演じきり、メダル圏内につけた。
得点源のルッツ―トウループの2連続3回転ジャンプはトウループで課題の回転不足を取られた。だが、切れのあるステップやスピンで観客を魅了し、「想像以上に点が出た。下(表現面)の点が伸びて自信につながる。演技全体を通してしっかりできたのは良かった」と話した。
昨季の世界選手権は左股関節の疲労骨折が判明したために欠場せざるを得なかった。実戦に復帰してからもけがの不安と闘いながら駆け抜けてきた激動のシーズン。「今季最後の試合ということで悔いなく終わりたい」と完全燃焼を目指す一戦で、上々のスタートを切った。
◆樋口新葉は転倒響く
樋口は後半の3回転ルッツ―3回転トウループの連続ジャンプの2本目での転倒が響き、自己ベストを8・37点下回った。平昌五輪代表をあと一歩で逃した昨年12月の全日本選手権から衣装を替え、気持ち新たに挑んだが、「練習からミスも少なかったし、体も動いていた。悔しい」と肩を落とした。フリーは今季最後の「007 スカイフォール」で勝負する。「たくさん練習してきたので出し切る」と切り替えた。
◆平昌金ザギトワは2位
金メダルを獲得した平昌五輪でSP82・92点の世界歴代最高得点をマークしたザギトワだが、後半最初の3回転ルッツ―3回転ループで着氷が乱れるなどし、得点が伸びず。2位スタートとなり、演技後は笑顔を見せることなく「緊張していた。(結果には)満足していない」と話した。逆襲を狙うフリーに向けては「落ち着いて演技しようと思う」と淡々と意気込んだ。