渋谷ビル炎上…年末のセンター街騒然 60代男性骨折、居酒屋火元か

スポーツ報知
多くの人が集まる渋谷センター街で発生したビル火災

 31日午後1時半ごろ、東京都渋谷区宇田川町のセンター街にある4階建てのビルから出火していると通報があった。火は約5時間半後に鎮火した。

 東京消防庁によると、ビル内にいた60代ぐらいの男性が屋上から隣の建物に飛び移り、腕の骨を折った。ほかにも、30代の男性が煙を吸うなどしたが、救助された。いずれも病院に搬送されたが命に別条はなく、ほかに逃げ遅れた人はいない模様だ。

 警視庁渋谷署によると、ビル2階の多国籍料理の居酒屋が火元とみられ、2~4階の計約135平方メートルが焼けたほか隣接するビルのネオンも焼け落ちた。30代の男性が店長という。同店は客の前で見せる炎のパフォーマンスが人気だが、出火時は営業時間外。男性は渋谷署に「厨房(ちゅうぼう)付近から出火した」と説明している。3階は占いの店で、4階は占い師の住居だった。

 現場はJR渋谷駅から北西に約400メートルの井の頭通りに面したビル。年末で地元民だけでなく、地方からも観光客が集まっていただけに、ポンプ車など約30台が集まった周囲は騒然とした雰囲気となった。消火活動中にも、2度ほど爆発音のような音が響き、規制線の外から様子を見守るやじ馬からは「キャー」という悲鳴や「怖いね」とささやき合う声が聞こえた。

 井の頭通りを挟んで前にあるビルに入った店舗の女性店員は「『パリン』とガラスが割れた音がして焦げ臭くなったので、『何だろう』と外を見たら、火災が起きていた。すぐに警察の人が来て『とりあえず外に出なさい』と言われたので、上着だけ急いで着て、外に逃げました」と恐怖の瞬間を振り返った。また、横浜市から友人と遊びに来ていたという高校2年の羽島庸介さん(17)は「ビルの2階から黒煙と赤い炎が噴き出ていてびっくりした」と話した。

社会