絶対王者・里見か、最強挑戦者・伊藤か―将棋の女流名人戦5番勝負前夜祭

スポーツ報知
前夜祭で花束を受け取り、笑顔を見せる伊藤沙恵女流二段(左)と里見香奈女流名人

 将棋の第44期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=株式会社ユニバーサルエンターテインメント)が14日、神奈川県箱根町の岡田美術館で開幕する。

 自己の持つ棋戦最多記録を更新する9連覇を狙う里見香奈女流名人(25)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=と、女流名人戦5番勝負初登場の挑戦者・伊藤沙恵女流二段(24)は13日にそれぞれ現地入り。美術館見学や対局場検分、前夜祭に臨んだ。

 美術館での両者は、江戸時代を代表する陶工・野々村仁清と尾形乾山の作品を展示した特別展、横山大観が富士を描いた大作「霊峰一文字」、福井江太郎の大壁画「風・刻」などを熱心な表情で見入った。

 約100人が出席した前夜祭では、里見は「毎年指させていただいておりますが、箱根に来て1年が始まったんだと実感します。今年も一日一日を充実させ、自分らしく、自分の力を出せたらと思っております」と抱負。伊藤は「里見さんの連覇をなんとか私が食い止めるという強い気持ちで明日から臨みます」と闘志をみなぎらせた。壇上では、美術館専属のショコラティエが用意した特製チョコレートをプレゼントされ、互いに笑顔を見せていた。

 今期だけで女流王位戦、女流王将戦、倉敷藤花戦に続いてタイトル戦で4度目の顔合わせとなる両者。伊藤が4度目の正直を目指すシリーズについて、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(48)は「ゴールデンカードが女流名人戦でも実現しました。里見さんは鋭い攻めの棋風、伊藤さんは受けの棋風で入玉含みの粘りに定評がある。波長が合うのか、いつも大熱戦になりますので年始を飾るのにふさわしい対局になるのでは、と思います」と展望を語っていた。

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