舛添氏、西部邁さん悼む「貴重な思想家を失った」…人事巡る騒動でともに東大辞職

スポーツ報知
舛添要一氏

 元東大教授で評論家の西部邁さんが21日、死去した。78歳だった。テレビ番組などで論戦を繰り広げた前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(69)は「保守論壇にとって貴重な存在を失った」と悼んだ。

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 突然の訃報で驚いていますし、本当に残念です。どうして亡くなったのか、まだ分からない点もたくさんありますが、保守論壇にとって貴重な人材でした。

 1987から88年にかけて、東大駒場騒動が起こり、世間やメディアをにぎわせました。東大教養学部の人事を巡る騒ぎで、中沢新一さんを教官にするかどうかでもめました。西部さんは中沢さんを教官にする人事案が否決されると、辞職。私も続きました。

 その後は「朝まで生テレビ」などで何度も共演しました。保守陣営から、左翼の似非(えせ)改革主義者と戦ってきた同志だけに悲しいです。国際政治学と経済学で専門は違いましたが、番組の収録が終わると、お酒を飲みながら、色々と議論をしたものです。お酒とたばこが好きで食事にも何度か行きましたね。

 西部さんはアカデミズムの世界と世間をつなぐ役割を担っていました。なじみのない保守思想家や経済学者の言葉を分かりやすく、丁寧に語ってくれた。

 最近は「保守」に関する本を書こうと思っていて、西部さんの著書も集めていたところでした。久しぶりに会いたいなと思っていたところ、突然の訃報に接しました。似非保守主義と闘う時代に貴重な思想家を失ってしまい、残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。(談)

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