藤井聡太五段、羽生竜王戦の780席即日完売…フィーバー再加速

スポーツ報知

 今月17日に将棋の史上最年少棋士・藤井聡太五段(15)と羽生善治竜王(47)との公式戦初対局が行われる公開対局・第11回朝日杯将棋オープン戦(東京・有楽町朝日ホール。持ち時間各40分)の観戦・観覧席のチケット780席分が即日完売したことが2日までに分かった。藤井五段は1日深夜まで及んだ順位戦C級2組・梶浦宏孝四段(22)戦に勝利して史上初の「中学生五段」に昇段した。朝日杯で優勝した場合は六段に昇段する。

 ファンの目の前で公開対局の形式で行われる17日の朝日杯の準決勝・決勝の観戦チケットは1日午前11時から販売開始され、全584席分(SS席9800円~B席4000円)が同午後10時台には完売した。販売開始直後、申し込みを受け付ける公式サイトが一時ダウンするほどの超人気。佐藤天彦名人(30)による解説会の観覧券196席分(3000円)も完売した。

 チケットは1日夜に「藤井五段」が誕生する前に売り切れた。公式戦初となる羽生VS藤井は大きな注目を集めていることの証明だが、藤井が「五段」となったことで、17日の朝日杯はさらに注目を集めることになった。藤井が優勝すれば「五段昇段後の全棋士参加棋戦優勝」の規定を満たし、六段に昇段するからだ。15歳7か月での棋戦優勝は、昨年引退した「ひふみん」こと加藤一二三・九段(78)が1955年に樹立した15歳10か月を超える史上最年少記録となる。

 17日の準決勝と決勝はインターネットテレビ局「AbemaTV」が将棋チャンネルで生中継する。昨年7月、史上最多の公式戦29連勝を記録した藤井が30連勝を目指した佐々木勇気五段(現六段・23)戦は、1240万視聴を突破したが、今回はその数字を超える可能性もある。

 昇格を決めた1日の順位戦C級2組、梶浦四段との一局は、完勝だった。中盤でペースを握ると、まるでベテランのような老練な指し回しでリードを拡大し、確実に白星を手にした。

 C級1組への昇級と五段昇段について藤井は「順位戦は昇級を目指して戦ってきたので、果たせたのはうれしいです」とかすかに笑顔も見せた。四段から五段への昇段規定は5つあるが、名人を目指す棋戦である順位戦への思いは特別なものがあるようで「順位戦の昇級で五段昇段を果たせたのはとても良かったと思います」と喜びをかみ締めた。

 過去に中学生で棋士となったのは藤井を含めて加藤一二三・九段、谷川浩司九段(55)、羽生竜王、渡辺明棋王(33)の5人がいるが、藤井は史上初の「中学生五段」となった。

 初優勝となれば、「藤井五段」は、16日間の肩書になるため、会場に置かれるであろうポスターやチラシなどは後にプレミア化する可能性もありそうだ。

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