大量の白菜を盗んだトマト農家の男を逮捕…「葉物野菜が高騰しているので…」

スポーツ報知

 愛知県豊橋市内の畑から大量の白菜を盗んだとして、豊橋署は1日、窃盗の疑いで同市内のトマト農家・塩野育男容疑者(40)を逮捕した。野菜価格の高騰を受け「葉物野菜が高騰しているので、市場に持ち込めば高く売れると思った」と供述しているという。

 逮捕容疑は1月29~30日の間、豊橋市の畑から次々と白菜約160玉(時価8万円相当)を盗んだ疑い。同時期に市内で起こった別の白菜窃盗事件3件についても関与を認めており、合計すると計500玉(時価25万円相当)の被害になるという。さらに、隣の豊川市でも、2件合計約80玉の窃盗事件も勃発しており、署は調査を進めている。

 署によると、塩野容疑者は盗んだ白菜を豊橋市内の市場に納入。証拠隠滅のため、白菜を卸した会社から販売伝票まで盗んでおり、自宅からこの伝票も見つかった。

 白菜は昨秋の天候不順により今年は不作。1月の野菜の小売価格は平年の2倍以上と価格が高騰していた。一方のトマト価格は前年並み。豊橋署では「農家が農産物を盗む事件なんて管内では聞いたことがない。近くの市場に持ち込めば、すぐにバレると思うんですが…」と困惑気味だった。

 ◆主な農作物の盗難事件

 ▼茶 14年4月、日本三大銘茶の一つとされる「宇治茶」を栽培する京都府京田辺市の茶園で、玉露用の茶木数トン、分量にして軽トラック1台分を何者かに刈り取られた。

 ▼梅 14年6月、和歌山県田辺市で、梅畑から約300キロの梅を盗んだとして、大工の男ら2人を現行犯逮捕。容疑者の1人は「親切心で採ってあげようとしただけ」と供述。

 ▼メロン 16年6月、千葉県旭市で1個約7万円の高級メロン112個が盗難。ベトナム国籍の男ら6人を逮捕。

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