コロコロコミック3月号が販売中止 購入者には返金も

スポーツ報知
騒動により販売中止となった「月刊コロコロコミック」3月号

 小学館は6日、モンゴルの英雄チンギス・ハーンの肖像に侮辱的な落書きをした漫画を掲載した月刊誌「コロコロコミック」3月号について、販売を中止すると発表した。

 問題の漫画については、元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)がツイッターで「あれ得ない!」(原文ママ)と激怒。先月26日には在日モンゴル人ら約90人が都内の小学館前で抗議デモをするなど大騒動に発展していた。同社広報によると、「コロコロ」の販売中止は1977年4月の創刊以来、41年の歴史で初めてだという。

書店に返品求める モンゴルの英雄を下ネタを絡めてギャグの題材にした「月刊コロコロコミック」3月号が、約41年の歴史で初めて販売中止に追い込まれた。小学館広報室は「チンギス・ハーンを敬愛する方々にあらためて深くおわびし、書店での混乱を避けるため」と理由を説明。3月号は2月15日に発売しており、書店には返品を求め、購入済みの顧客への代金の払い戻しにも対応する。

 問題の漫画は「やりすぎ!!! イタズラくん」。チンギス・ハーンの肖像の額の部分に、男性器を模した落書きが描かれた場面があった。さらに漫画では「モンゴル国の皇帝チ( )・( )ン」という穴あき問題も出題。登場キャラがカッコ内に「ン」と「チ」の文字を当てるなどして、チンギス・ハーンをちゃかしていた。

 この表現を受け、2月23日に在日モンゴル大使館が外務省に抗議。小学館が同国のバッチジャルガル臨時代理大使に面会して謝罪するなど、国際問題にまで発展する騒動となった。紀伊國屋書店は同25日から全店舗で3月号の販売を中止。同26日には在日モンゴル人約90人が小学館前で抗議デモを展開し、「私たちにとっての神様を侮辱された」などと声を上げていた。

作者もHPで謝罪 この日、同誌のホームページには作者の吉野あすみさんのコメントもアップ。「モンゴル国の歴史と文化について不見識だったことを深く反省し、今後は様々な国の歴史と文化を深く理解し尊重する表現を心がけていきたいと思います」と謝罪した。また、3月号で連動企画として募集されていた「イタズラクガキコンテスト」も中止。同社によると、連載自体は打ち切りにせず、今後も継続していくという。

 日本雑誌協会によると、17年末時点の「月刊コロコロコミック」の1号あたりの印刷部数は約80万部。「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」に次ぐ、少年向け漫画雑誌では3位だった。定価530円で販売されている。

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