連続爆破犯がテキサス州オースティンで自爆 ゴルフ世界選手権開催中で松山、優作ヒヤリ

スポーツ報知
米連続爆破事件経過

 米南部テキサス州オースティンで発生した連続爆破事件で、地元警察は21日(日本時間同日)、容疑者の白人の男(24)が爆発物を使い、自殺したと発表した。動機や共犯者の有無は不明という。同州では今月4件の爆破事件が発生し、2人が死亡、4人が負傷していた。オースティンでは、米男子プロゴルフツアー世界選手権シリーズ「デル・マッチプレー」(21~25日)が開催されており、日本からは松山英樹(26)、宮里優作(37)らが出場していた。

 米メディアによると、男はオースティン在住のマーク・コンディット容疑者。警察発表によると、同容疑者がオースティン郊外のホテルに泊まっていることを突き止め、ホテルから車で出掛けた際に警察の特別機動隊(SWAT)などが追跡。一時停止した車に近づくと、同容疑者は車内で爆発物を爆発させた。警官1人が爆発で軽傷を負った。

 地元警察は一連の爆破事件の主犯とみている。小包爆弾の記録などから容疑者を特定したとみられる。思想的な背景や動機については説明せず、単独犯かどうかについても断定していない。トランプ米大統領はツイッターで「オースティン爆破事件の容疑者は死亡した。捜査関係者らはよくやった」とつづった。

 爆破事件は2日以降、4件連続で発生。2人が死亡、4人が負傷した。2日と12日はいずれも小包が爆発。18日は針金を使った仕掛け爆弾が用いられた。オースティン周辺は厳重な警備が敷かれるなど、物々しい雰囲気に包まれていた。

 20日未明にはオースティン南西のサンアントニオ郊外にある「フェデックス」の物流倉庫で小包が爆発、女性従業員1人が軽傷を負った。小包には大量のクギや金属片が入っていた。小包はベルトコンベヤーの上で爆発。オースティンから発送され、送り先も同じオースティンだった。地元メディアは、連続爆破事件で使用された爆発物の装置と類似していたと報じた。また、オースティンの国際空港付近にある同社施設でも不審物が見つかり、当局が不発弾処理をした。

 松山ら世界のトッププロが集うゴルフ会場も厳戒態勢が敷かれていた。21日に開幕した世界選手権シリーズ「デル・マッチプレー」は「オースティンCC」で行われ、運営するPGAツアーは当局と連携し、警備を強化していた。人が集まる場所は標的になりやすく、住民の間では外出を控える動きが広がっていた。

 世界4位のジョーダン・スピース(24)=米国=は開幕前日の20日、USAトゥデー電子版に「どこでも起こりうるという嫌な予感がする。できるだけ早い解決を信じている」など不安を語っていた。

 ◆オースティン 米南部テキサス州の州都。19世紀にメキシコからテキサス共和国として独立に導いたスティーブン・オースティンの名にちなむ。1930年代にコロラド川の開発で工業が発展。現在は産学連携のIT産業が盛んなハイテク都市で、サムスン電子、インテルなどの拠点。人口約100万人。大分市は姉妹都市。

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