“最古”のビリケンさん壊された…1913年誕生で大阪の本家より年上

スポーツ報知

 千葉県流山市で「幸運の神様」として知られる「ビリケンさん」の像が倒され、破損していたことが5日までに分かった。

 市によると2日午後8時半ごろ、像近くの利根運河交流館の職員が発見した。像は後方に倒れており、左肩の部分が欠けていたほか、こめかみの部分にかすり傷のようなものが付いていたという。付近に防犯カメラはなかった。

 像は利根運河の開発会社で総支配人を務めた故・森田繁男氏が1913年に建てたもので、高さ約40センチの石像。「ビリケンさん」としては大阪・通天閣の木像が有名だが、それよりも歴史が長く、現存する中では最古とも言われている。2年前に森田氏の親族から市に寄贈された。

 長年、風雨にさらされ傷みもみられたことから、像を納めるほこらが先月24日に完成したばかり。市観光協会は同日、像を「幸福大使」に任命する「ビリケンさん家を建てる」と名付けたお披露目イベントを実施したばかりだった。

 「今回のほこら建立を機に観光スポットとして盛り上げていこうと考えていたところだった。非常に残念です」と市観光協会。像の前に置かれていた石製のさい銭箱も盗まれていたことから、県警は器物損壊と窃盗容疑で捜査を始めた。

 通天閣のビリケン像の公式サイトを運営する天倉堂(大阪市)によると、ビリケンは1908年に米国の芸術家が考えたとされ、世界中に広まった。

 【主な石像・銅像等の破壊行為】
 ▼ゲゲゲの鬼太郎 07年5月、東京都調布市の通りに飾ってあった主人公の妖怪「鬼太郎」の石こう像が盗まれ、妖怪「子泣き爺(じじい)」の像にも穴が開けられた。像が消えた台座には一時「僕を探して下さい!」との紙が貼り出された。
 ▼それいけ! アンパンマン 09年11月、高知県南国市の商店街沿いに設置された悪役キャラ「ばいきんまん」の石像の角が折られる。地元の人がしばらくの間ばんそうこうを貼ることで対処。
 ▼こちら葛飾区亀有公園前派出所 10年4月、東京都葛飾区に設置された主人公「両津勘吉」銅像の左手部分が破壊。自首した当時23歳の男性は「酒の勢い」と供述した。同5月には、ヒロイン「麗子」像が足元から折られた。
 ▼名探偵コナン 12年5月、鳥取県北栄町の「コナン大橋」にある主人公「コナン」の銅像の虫眼鏡部分などが破壊。後に防犯カメラがセットされた。同様の被害は2000年から10件発生し、修理費は計約350万円。
 ▼サザエさん 12年5月、東京・世田谷区に設置された一家の銅像のうち、髪の毛1本がトレードマークの「波平さん」像の毛(約10センチ、ワイヤ製)が2度にわたって抜かれる。同6月に植毛式が行われたが、同12月にも同様の事件が発生して三度ツルツル頭に。

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