セクハラ疑惑、財務省・福田淳一事務次官 報道内容を否定

スポーツ報知

 財務省は16日、週刊誌で報道された福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ疑惑について、福田氏が報道内容を否定するコメントを発表した。与党内で辞任論が強まっている次官の進退について、福田氏は「反省の上で緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい」とし、辞任論を退けた。コメントによると、「週刊誌報道は事実と異なる」として、名誉毀損(きそん)で新潮社を提訴する準備を進めているという。

 財務省の今回のコメントは、セクハラ疑惑の渦中にある福田事務次官を内部調査したうえで、結果を公表したもの。同文書によると、福田氏は聴取に対して「記載されているようなやりとりをしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない」と全否定していたという。

 先週発売の「週刊新潮」は、福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言をしていたと報道。13日には自社のニュースサイト「デイリー新潮」で福田次官とされる男性の音声を公開し、都内バーで「抱きしめていい?」などと女性に話しかける様子を報じた。

 福田氏は、この音声についても「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない。そのような店で女性記者と会食をした覚えもない」などと反論。「事実と異なるものであり、私への名誉毀損に当たる」とし、発行元の新潮社に対して名誉毀損で提訴する準備を進めているとした。進退については「反省の上で緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい」とし高まる辞任論を否定した。

 一方で財務省側は、今後も外部の弁護士に委託して引き続き調査する方針を表明。報道各社を通じ、財務省記者クラブの加盟各社の女性記者に調査への協力を要請し、「週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査の協力をお願いしたい」と異例の呼びかけを行った。

 麻生太郎財務相はこの日の参院決算委員会で「(財務省側の)当事者だけでは(事実の)解明が困難だ」と指摘。「事実ならかばうつもりはない」とも語ったが、委託先の弁護士事務所に女性記者らが被害を名乗り出ない限り、セクハラが事実かどうかの認定を棚上げする構えだ。財務省は委託先が同省の顧問弁護士であることも明かした。野党からは調査の中立性を疑問視する声が上がっている。

 一連の発表に対し、週刊新潮編集部はこの日、「記事は全て事実に基づいたものです。財務省が本日公表した文書に対する週刊新潮の見解は、4月19日発売の次号に掲載いたします」とコメントした。

 ◆立民辻元氏更迭求める 

 立憲民主党の辻元清美国対委員長はこの日、自民党の森山裕国対委員長と会談し、福田氏の更迭を改めて要求。野党6党は、財務省が福田氏の見解に関して同日に発表した文書が女性記者らに調査への協力を要請している点について、女性記者への配慮に欠けると批判し、文書の撤回を求めた。

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