熊本県警、大迫ゴール翌日から「ハンパないって!」 交通情報板に標語登場

スポーツ報知

 サッカーW杯の1次リーグ初戦のコロンビア戦で決勝点を挙げたFW大迫勇也(28)=ブレーメン=の代名詞となった「ハンパないって」が、熊本県内で交通安全に一役買っている。

 以前から流行語を取り入れた標語が表示されることで知られる「交通情報板」に「おもいやり運転ハンパないって!」として20日夜から登場。“仕掛け人”の熊本県警交通企画課交通事故防止総合対策室の米村法数(のりかず)室長補佐が21日、経緯や標語を考えるコツなどを明かした。

 日本中を熱狂させた勝利の立役者・大迫を表す言葉として、急速に広がっている「ハンパないって」を、早くも熊本県警が「導入」した。20日夜から、県内の道路50か所にある交通情報板で「おもいやり運転ハンパないって!」と「二日酔運転人生にオウンゴール×」のメッセージを2・5秒ごとに交互に表示。情報板を見た人たちなどが写真をツイッターなどに上げ、盛り上がりを見せている。

 今年4月から4代目の担当になったという米村さんによると、同県警がユニークな標語を作り始めたのは2013年。当時の担当者が「渋滞や事故などの情報がない時の情報板を有効利用できないか」と考えた際に「どうせなら心に残るものを」と始めた。「第1号」は、予備校教師でタレントの林修さんの口癖を用いた「運転中眠気いつ休む?今でしょ!」だったという。

 情報板に表示できるのは1行5文字を3行まで。15文字でクスリとさせるためには、努力と工夫は欠かせない。「前任者から言われたのは『とにかく流行に乗り遅れるな』ということ。あとは言葉をひらがなにしたり逆に漢字に換えたり。意味が分からなくならない程度に文字を削ることもあります」。3色ある文字色の変化も駆使する。

 米村さんは普段からインターネットやテレビなどで“ネタ”を探しているだけに、大迫が決勝点を入れた直後からSNSなどで盛り上がり始めた「ハンパないって」というワードを、逃すはずがなかった。

 ただ、米村さんらにとって何より大切なのは事故の防止だ。「まずは交通安全を喚起すること。本末転倒になってしまっては仕方ないですから。だから、絶対に車を運転しながらの情報板の撮影はやめてください。そもそも、事故が起きたらその情報が表示されることになり、標語は出ませんから」。通常は1か月程度変更しないそうだが、次戦以降にもし「注目ワード」が出てきた時には“新作”を披露することも考えているという。

 ◆今年に入ってから熊本県警の交通情報板に登場した主なユニーク標語

 「お先どうぞゆづる心に金メダル」(フィギュア男子・羽生結弦の五輪連覇を祝って)

 「安全運転大事だよねそだね~」(カーリング女子五輪代表「LS北見」が試合中に使う言葉)

 「止まる見るの二刀流!事故死完封」(大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手にちなんで)

 「横断歩道!車の影からひょっこり」(人気急上昇のお笑いタレント・ひょっこりはんのギャグから)

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