W杯日本戦すべて的中のハンパないタコ、出荷されていた…容赦ないって

スポーツ報知
臼谷漁港では、つるして直売されるタコが有名(小平町公式サイトから)

 タコ漁がさかんな北海道小平(おびら)町臼谷漁港の漁師・阿部喜三男さん(51)が水揚げしたミズダコの「ラビオ君」が、サッカーW杯日本代表の1次リーグ3試合の勝敗をすべて的中させた。インターネット上では「ラビオ君、半端ないって」などと大反響だったが、すでに「ゆでだこ」となって出荷されていたことが29日分かり、物議を醸している。

 「ラビオ君」は19日に同町の沖合で水揚げされ、阿部さんが「特産品を知ってもらえてW杯を盛り上げられるなら」とタコ占いのイベントを始めた。名前は町名の逆さ読み。子ども用ビニールプールに日本、対戦国、引き分けを示す3つのかごを設置し、ラビオ君がどれに近づくかで勝敗を占っていた。

 占いを企画した同町の水産加工会社「オロロンマーケット」と阿部さんは当初「ラビオ君は当面いけすで保管する」としていたが、阿部さんは29日「生きがいいうちに出荷しないと品質が落ちるので、19日のうちに浜ゆでし、出荷した」と明かした。同社も「夢がなくなると思った。誤った情報を流し、申し訳ない」と謝罪した。

 タコ占いといえば、南アフリカW杯で予想した全8試合を的中させて世界的な話題になったマダコの「パウル君」が有名だが、ドイツの水族館で飼育されていた「パウル君」は優勝から3か月後に死ぬまで水族館で大切に保管されていた。一方の「ラビオ君」は食用に取られたミズダコ。ネット上では「縁起のいいタコをゆでてしまうとは」などと批判の声が相次いだが、イベント主催者は公式サイトに「ラビオくんは、ペットでもないし、飼育されている生き物ではありません。漁師の阿部さんはタコを日常の漁獲の一つ、生産品の一つとして捉えています。取材があった場合、漁から時間をおけば普段どおり出荷したと漁師は答えるでしょう。それは、生産者として当然な答えであるとご理解ください」との声明を掲載した。

「ご理解下さい」 来月2日にはベルギー戦(3日午前3時)の予想イベントを行うが、当日水揚げされるタコを「2代目ラビオ君」として起用し、W杯終了まで生かすという。

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