【本屋さんのイチ押し】さわや書店盛岡駅ビルフェザン店・長江貴士さん「八月十五日に吹く風」

2017年9月23日11時55分  スポーツ報知
  • 「八月十五日に吹く風」(松岡圭祐著)

 ◆「八月十五日に吹く風」(松岡圭祐、講談社文庫、799円)

 今も世界のどこかで戦争が起きている。そして形の上で戦争が「終結」した後、敗戦国は戦勝国から苛烈な扱いを受けることが多い。

 しかし第2次世界大戦後、日本は比較的穏やかな終戦を迎えた。それはなぜだったのか。実際、直前まで米国は特攻や一億玉砕を掲げる日本人を「無慈悲」「人命を尊重しない」民族だと捉え、高圧的な占領政策を施行するつもりだった。

 その流れを変えた一人の米国人がいる。後に日本に帰化した、日本文学の研究者として著名なドナルド・キーン氏をモデルにした人物が登場する。彼は、キスカ島における日本軍の救出作戦の裏に、日本人の真の姿を見た。そして、一通訳としての立場から、日本と日本人の見方を捉え直すよう進言したのだ。

 戦時中の日本人の捉えられ方、キスカ島の救出劇、一人の通訳の葛藤を織り交ぜた、日本人なら読んでおくべき胸熱の戦争小説だ。

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