【メディカルNOW】「成人T細胞白血病」治療は抗がん剤や骨髄移植

2016年11月21日15時0分  スポーツ報知

 年に8000人前後が「血液のがん」と言われる白血病で亡くなっているが、うち約1000人が成人T細胞白血病で亡くなっている。特徴は「HTLV―1」というウイルス感染で発症することだ。白血球にはいくつかの種類があるが、そのうちのT細胞(Tリンパ球)にウイルスが感染し、発症すると感染したT細胞からがん化した細胞(ATL細胞)が無制限に増殖する。

 感染者は100万人前後と推計されているが、感染に気づいていない人が少なくない。が、感染が判明する機会が2つある。1つは妊娠すると受ける血液検査だ。ウイルスは母乳により母子感染するので、2010年から検査項目に加わった。母親が感染していたら、赤ちゃんは母乳ではなくミルクで育てることになる。感染が判明するもう1つの機会は献血だ(定期検診などでは調べない)。ウイルスは輸血でも感染するため、1986年から検査項目になり、献血時に「検査結果を通知する」を選択すると、陽性の人は通知される。

 前宮城県知事の浅野史郎さん(68)が、HTLV―1ウイルスに感染していることが判明したのも、05年に行った献血だった。成人T細胞白血病は感染者の3~5%が30~50年という長い潜伏期間を経て発症する。フルマラソンを走るほど元気だった浅野さんは「自分が発症するはずがない」と思っていたが、09年に発症した。

 治療法は抗がん剤と骨髄移植がある。抗がん剤は再発や、薬が効かなくなる(耐性化する)ことが多い。浅野さんは抗がん剤で治療を続けたが、幸い骨髄バンクで白血球の型(HLA)が一致するドナー(提供者)が見つかったので骨髄移植を行い成功した。

 ちなみにウイルスに感染している人は地域差が大きく、九州、四国、沖縄に多いとされる。だが最近は人口が集中する東京、大阪、名古屋などの大都市圏で患者が増えていて、全国への拡散傾向がみられる。自分が感染しているか否かを知りたければ献血という方法がある。

(医療ジャーナリスト・田中 皓)

  • 楽天SocialNewsに投稿!
メディカルNOW
今日のスポーツ報知(東京版)