【三浦瑠麗Lullyのホンネ】米で減税法案成立反転攻勢なるか

2018年1月7日12時0分  スポーツ報知
  • 三浦瑠麗

 年末で忙しい日本ではあまり大きく報道されませんでしたが、今後の国際情勢にとって大きなニュースは、米国で減税法案が成立したことです。内政上、行き詰まっていたトランプ政権にとって大きな勝利だったからです。

 現在、ワシントンでは、トランプ政権発足に至る内幕をつづった暴露本が話題の的になっています。政権幹部が、実際には選挙に勝利することを想定しておらず、いかに準備不足であったかが赤裸々につづられています。

 政権の政治手法も、国内の左右対立をあおり、共和党支持者からの信任を固めるというパターンに帰着しつつありました。支持率は、30%代後半から40%代前半で低位安定していた。そんな中だからこそ、減税法案の成立には大きな意味があったのです。混乱の1年を経て反転攻勢のきっかけとなるか注目です。

 それより大きいのは、世界経済へのインパクトでしょう。減税法案の骨子は、米国の法人税を現在の35%から21%に引き下げること。そして、米国企業の海外利益を15・5%という比較的低い税率で米国内への還流を認めることです。グローバルなお金の流れや、企業の動きに対して強烈な効果があるでしょう。

 今後、世界中の投資や企業が米国に吸い寄せられていくはずです。ニューヨーク市場は、減税法案を好感し、最高値を更新し続けています。世界最大の豊かな市場を持ち、世界中から才能を集める米経済の強みが一段と際立つ展開です。

 G7諸国や、低税率で企業や資金を集めてきたシンガポールや香港などは、米国に追随するか否かを迫られることになります。グローバルな企業は国境を越えて競争していますから、各国企業は強く法人税減税を求めるはずです。2019年に消費増税を控えている日本では、法人税減税の議論は起こりにくい環境ですから、難しい舵取りを求められるでしょう。

 歴史を振り返れば、日独に追い上げられていた米国が80年代に実施したレーガン減税は、減税と規制緩和によって情報産業を勃興させ、経済を復活させました。21世紀の世界をリードするのは、新技術の発展を主導し、経済活動にいち早く結びつけた国なのです。(国際政治学者)

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