【巨人】鈴木尚広外野守備走塁コーチ、積極的に走るけど冷静に考える

スポーツ報知
14年、代走のスペシャリストとして勝利に貢献した鈴木尚

 巨人・原辰徳監督(60)が10日、「尚広2世」の台頭を待ちわびた。この日、都内のホテルで行われた新年恒例の記者懇親会に出席。現役時代、勝負どころで代走起用され、盗塁を決め続けた鈴木尚広外野守備走塁コーチ(40)を引き合いに出し「尚広2世を作りたい。現有の戦力の中からぜひとも出てほしいね」と若手に“走る切り札”の座を奪えと指令を出した。今季から新任として指導に当たる鈴木コーチの指導法とは。片岡優帆記者が「見た」でひもといた。

 打ち方、投げ方がみんな違うように、盗塁も十人十色だ。鈴木コーチは「大切なことは自分を知ること。選手は自分の盗塁メソッド、オリジナリティーを作ってほしい」と話していた。

 一塁走者の場合、リードの大きさ、重心の位置、目線、スタートの切り方、スライディングなど、様々なポイントがある。だから鈴木コーチは、ただ漠然と走るのではなく、成功率アップのために根拠のある盗塁を求める。「人によってできる要素、できない要素が違う。積極的に走るけど冷静に考える。この2つがないとダメ」が持論だ。

 そのために、2月のキャンプでは若手とマンツーマンで個人面談を行う。選手から鈴木コーチに「盗塁について」というお題でプレゼンしてもらう。「言葉を使うことで自分の考えを知れるし、考える力も身につく」。個々の課題を共有して一緒に改善策を考える。

 的確な助言を行う準備も万全だ。昨秋のコーチ就任後に「盗塁ノート」の作成を開始。スタート、スライディングなどの項目ごとにページを分け、大切なことを箇条書きでビッシリ記述している。現役時代は投手の細かいクセを見ないのが「尚広流」だったが、指導者は正解が一つじゃない。選手のどんな質問にも柔軟に対応できるよう整えた。

 昨年は優勝した広島がセ最多のチーム95盗塁に対し、巨人はワーストタイの61盗塁。鈴木コーチにはスタメンでも代走でも「走れる選手」の育成が期待される。

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