星槎道都大の元巨人・二宮至新監督の革命「出塁こそ使命」

スポーツ報知
真剣な表情で二宮監督(右)の話を聞く星槎道都大ナイン

 札幌6大学野球秋季リーグ戦が22日、札幌円山球場で開幕する。昨秋の明治神宮大会準優勝の星槎道都大は、今年6月末に新監督に就任した元巨人の外野手でDeNAでは2軍監督も務めた二宮至(いたる)氏(64)の下、新たな船出を迎えた。指揮官は「出塁を最大の使命」に掲げ、レギュラーを白紙にしてスタート。部員102人での定位置争いが激化したチームは、今春3位からの巻き返しを図る。

 新生“二宮道都”が道勢初の日本一へ挑む。22日の札幌大との初陣を控え、今春のリーグ戦後から指揮を執る二宮新監督は「もちろん、優勝しか狙っていない。我々の野球はつなぐ野球。出塁を多くできるかどうか」。本格指導から1か月弱。短期間でも、チームの変化に手応えを感じていた。

 プロ注目の最速148キロ左腕・福田俊(4年)=横浜創学館高出=を擁しながら、6勝4敗で3位に終わった今春。二宮監督が第一に着手したのが、「出塁」への意識改革だった。「春は本塁打1本だけ。うちがリーグで一番少なかった」。四死球もリーグ最少の1試合平均3個。何が何でも出塁する、という気概が欠けていたことはデータを見ればはっきりしていた。

 そこで、ナインに掲げたのが「出塁こそが最大の使命」。レギュラーは白紙に戻し、実戦中心に見極めた。打てないならどう動くか。追い込まれてから粘れる選手を実績に関係なく、Aチームに上げた。今秋から主将を務める大栗飛人(たかと)三塁手(4年)=駒大苫小牧高出=は「大事なのは塁に出ること。出塁への意識が変わった」と言う。次第に四球を選べばガッツポーズを作るなど、打席で粘れるチームに仕上がった。

 部員102人での定位置争いが激化したことで新戦力も台頭した。「今までやってきたことは模擬試験みたいなもの。あとはリーグ戦で出せるかどうか」。偶然にも、初陣の舞台・札幌円山は、指揮官が巨人時代の1977年7月7日・ヤクルト戦で初先発を果たした球場。新たな船出にふさわしい地で“デビュー戦”を飾る。(清藤 駿太)

 ◆展望

 2季連続優勝を狙う東海大北海道が優勝候補筆頭。今春2位の北翔大、3位の星槎道都大が後を追う。東海大北海道は春季10試合で77得点、11本塁打の強打が健在。4割6分4厘を誇った今川優馬外野手(4年)や、大河内主将ら主力が残った。

 東海大から唯一の白星を奪った北翔大は、プロ注目の最速152キロ右腕・伊藤宏太(4年)を筆頭に投手層が厚い。伊藤は6日のプロアマ交流戦(栗山町民)で先発し、日本ハム2軍相手に2回4安打2失点も3三振を奪い自信をつけた。星槎道都大はエース左腕・福田を軸とする投手陣が踏ん張れるか。北大、札幌大も実力があり、気は抜けない。

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