【南東北大学】石巻専大・菅野一がノーヒッター、新球シンカーで福島大を手玉

スポーツ報知
福島大戦で無安打無得点試合を達成した石巻専大・菅野一

◆秋季リーグ 南東北大学野球 第3週第2日 石巻専大5―0福島大(9日、SOSO.Rならはスタジアム)

 石巻専大・菅野一樹投手(3年)=聖和学園=が、福島大戦でノーヒットノーランを達成。試合も5―0で勝ち、チームは無傷の4連勝を飾った。内訳は外野飛球11、三振11(うち振り逃げ1)、内野ゴロ4、内野飛球2、四球2、死球1、失策1。右肩の違和感で投げられなかった今春の悔しさをバネに、“新球”を駆使して快投を見せた。

 笑顔は控えめでも、その胸中は喜びであふれていた。福島大との上位対決で、石巻専大・菅野一が無安打無得点試合を達成。仲間からの祝福を静かに受け止めながらも「(内心は)めちゃくちゃうれしいです! チームメートが喜んでくれて一番よかった」と満面の笑みだ。3回に4点、4回に1点と打線にも助けられ、2017年春季・山形大戦での福島大・臼井将真(当時2年)以来となる記録達成。今春の悔しさが原動力だ。

 1年春から先発の一角を務める本格派。だが、今春は開幕週の東日本国際大戦後、右肩の違和感で戦線離脱。最終週に復帰したものの、わずか1勝に終わった。夏場はケアを重視しながら、医師に教わった肩甲骨周辺のトレーニング方法を実践。菅野一は「今のやり方が合っていた。(柔軟性が)ついてきたと思う」。また開幕前まで球数制限を設けるなど、リーグ戦に向けて万全の準備をしてきた。

 “新球”シンカーがさえた。これまでも練習してきたが、「やっと感覚が良くなった」(菅野一)と、今季から実戦で使用。飛球アウトが13個と打者のタイミングをずらすと、この日最速138キロの直球にも相乗効果が出て、好投につながった。

 「腕が振れて、強い変化球を投げられていた。最後まで球威が落ちなかった」と酒井健志監督(40)も評価。「次も万全の状態で投げられるよう準備していきたい」と菅野一は前を向いた。チームも個人も弾みのつく白星で全勝をキープ。勢いそのままに、3季ぶり7度目の優勝を狙う。(有吉 広紀)

 ◆菅野 一樹(かんの・かずき)1997年10月5日、仙台市生まれ。20歳。小3で野球を始め、郡山中では仙台東部シニアに所属。聖和学園では2年秋からエース。石巻専大では1年春からリーグ戦に登板し、この日の勝利でリーグ通算18勝。180センチ、81キロ。右投右打。家族は両親と弟2人。

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