【道6大学】函館大が2季ぶり10度目V!黒木主将、サヨナラ打で花添えた

スポーツ報知
2季ぶり10度目の優勝を果たし、主将の黒木を胴上げする函館大ナイン

◆道6大学野球秋季リーグ最終節最終日 函館大2x―1苫小牧駒大(25日・とましんほか)

 優勝の可能性を残していた旭川大が、東農大北海道に1―2で敗れ、函館大の2季ぶり10度目の優勝が決まった。試合は1―1の9回1死一、二塁で主将の黒木匠左翼手(3年)=秋田・本荘出=が右前サヨナラ打。2―1の劇的勝利で花を添えた。今春にリーグVを逃して以降、自主練習の時間を作り猛練習。投打がかみ合い、覇権を奪回した。次は明治神宮大会(11月9日開幕・神宮)出場権をかけ、札幌6大学の優勝チームと2戦先勝方式の地区代表決定戦(10月3日開幕・函館オーシャン)に臨む。

 鋭い眼光で相手投手をにらんだ。9回1死一、二塁。函館大の主将・黒木が内角直球を打ち返すと、打球は右前に弾んだ。「詰まったが、気持ちで運んだ」。二塁走者が生還しサヨナラだ。第1試合で旭川大が敗れたため試合前に優勝が決まっていたが、代表決定戦に向け、勢いづく劇的勝利。殊勲打のヒーローは、あっという間に仲間に囲まれ、3度宙を舞った。

 6年ぶりリーグ優勝を果たした昨秋は、代表決定戦で星槎道都大に惨敗し、神宮切符を逃した。思いを新たに臨んだ今春は、苫小牧駒大に王座を明け渡し、黒木は「準備不足だったので、考えを突き詰めた」。

 まずは2部練習を廃止し「やらされるより、自分で練習した方がうまくなる」(黒木)と、午前のみ全体練習とし、午後は自由にした。全選手が各自の課題を洗い出し、弱点と向き合った。9回を4安打1失点の右腕・高橋侑也(3年)=秋田中央=もその一人。「もっと体作りがしたくて、下半身を中心に鍛え直した」。6月以降で7キロ増量。この日の最速は143キロの直球が走り、11三振を奪った。

 投手陣が抑え、勝負所で点を奪う理想的な展開。今秋のチーム総得点56はリーグトップ、総失点24は最少タイだ。阪内俊喜監督(62)も「血のにじむような努力をしてきたのでね。投打がかみ合ったのが勝因」と納得顔でうなずいた。

 昨秋の明治神宮大会に出場した星槎道都大は準優勝しており、黒木は「力を出し切れば(全国でも)戦える。自信を持って戦いたい」と言い切る。“ホーム函館”で迎える最終決戦。昨秋と同じ轍(てつ)は踏まない。(宮崎 亮太)

 ◆表彰選手 ▽最高殊勲選手 福岡美輝(函館大4年)▽最優秀投手 高橋侑也(函館大3年)▽優秀選手 ブランドン大河(東農大北海道2年)▽優秀投手 野原陽介(旭川大3年)▽首位打者 柳川大和(旭川大4年)4割3分9厘▽新人賞 川崎悠矢(函館大1年)

 ◆ベストナイン ▽投手 高橋侑也▽捕手 沼上仁哉(函館大3年)▽一塁手 石山凌(函館大3年)▽二塁手 武井伽耶飛(函館大2年)▽三塁手 ブランドン大河▽遊撃手 冨永凌(東農大北海道3年)▽外野手 柳川大和、小林俊己(函館大4年)、黒木匠(函館大3年)▽指名打者 榎本竜成(東農大北海道3年)

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