【札幌学生】星槎道都大、2季ぶり14度目V 二宮監督就任わずか3か月で頂点

スポーツ報知
選手たちの手で胴 上げされる星槎道都大・二宮監督(中央)

◆札幌6大学野球 秋季リーグ最終日 星槎道都大10―2北大=7回コールド=(26日・札幌円山)

 昨秋の明治神宮大会準優勝の星槎道都大が、北大を10―2の7回コールドで下し、2季ぶり14度目の優勝を飾った。今年6月末、元巨人選手で元DeNA2軍監督の二宮至(いたる)新監督(64)が就任。指揮官はBチームの選手を積極起用するなど、チーム内競争の促進を図り、今春3位に低迷したチームを改革し、わずか3か月でVに導いた。明治神宮大会(11月9日開幕・神宮)出場をかけて、道6大学秋季優勝チーム・函館大との北海道地区代表決定戦(10月3日開幕、函館オーシャン、2戦先勝)に挑む。

 ナインの手には、ずっしりと優勝の喜びと重みが感じられた。札幌円山の秋空へ、星槎道都大・二宮監督の体が何度も宙に舞う。就任わずか3か月でつかんだスピードV。「何の先入観もなく、僕が使いたい選手を起用しただけ」と指揮官の言葉通り、リーグ戦8勝目を呼び込んだのは“秘蔵っ子”だった。

 1点ビハインドの2回だ。相手失策絡みで1点を勝ち越すと、なおも1死三塁で1番・伊藤秀和中堅手(2年)=横浜創学館高出=が中犠飛で追加点を奪った。2点リードの4回には、適時二塁打を放つなど3安打2打点。今春までBチームだった男は「仕事を果たせてよかった」と笑みを浮かべた。

 昨秋のリーグ戦を制し、明治神宮大会で道勢初の準優勝。だが、今春はリーグ戦3位に後退した。6月末に二宮監督が就任すると、まずはチーム内の固定概念を取り払った。指揮官は過去の成績はあえて見ず、自分の「目」を信じて選手を起用。Bチームでも結果を残せば、即Aチームで起用してきた。二宮監督は「(選手に)春まで出ていなかったと、後から聞いて驚くよ」と笑う。

 リーグ戦期間中もBチームの練習をチェック。自主練習は夜遅くまで付き合った。今秋はケガでベンチ外の橋本球道内野手(2年)=白樺学園高出=も「自主練は場所の取り合いです」と言う。控え選手にもチャンスを与えることで、部員102人の競争は激化。この日は、春まで試合に出ていなかった6人がスタメンに並ぶなど、戦力は底上げされた。

 ただ、まだ通過点に過ぎない。次は2年連続7度目の神宮大会出場をかけ、道学生連盟勝者の函館大と戦う。二宮監督は「まだまだこれからです」と言う。生まれ変わった“道都”が、勝ち抜いて、神宮へ昨秋の忘れ物を取りに行く。(清藤 駿太)

 ◆二宮 至(にのみや・いたる)1953年11月15日、広島県生まれ。64歳。広島商では甲子園出場なし。駒大ではリーグ通算86試合に出場し、打率2割8分5厘、3本塁打、33打点でベストナインを5度受賞した。76年から83年まで巨人でプレー。引退後は中日やDeNAで外野守備・走塁コーチを歴任した。右投右打。ポジションは外野手。

 ◆星槎道都大野球部 1978年4月、紋別市に開校と同時に創部。道学生野球に所属し、全日本大学野球選手権に3度出場した。2005年に紋別市から北広島市へのキャンパス移転に伴い、北広島市にあった札幌学生の道都短大(1966年創部、71年全日本選手権出場)と統合。統合後は札幌学生に所属。昨年4月から運営する学校法人が、星槎グループに加入したことで校名を変更した。主なOBに日本ハム・大累進内野手。

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