【東都】ドラ1候補、東洋大・上茶谷が完封勝利 最速147キロで散発4安打

スポーツ報知
最後の打者を空振り三振に仕留め雄たけびを上げる東洋大・上茶谷(カメラ・青柳 明)

◆東都大学野球秋季リーグ戦 第4週第1日▽東洋大 4―0 中大(東洋大1勝)(26日・神宮)

 東洋大の今秋ドラフト1位候補右腕・上茶谷(かみちゃたに)大河(4年)が、4安打5奪三振で今春開幕戦以来となるリーグ戦2度目の完封勝利を挙げ、中大に先勝した。立正大は代打・伊藤弘法捕手(4年)の2点二塁打などで逆転し、雨中の一戦を制した。また、東都大学連盟は27日の天候状態を考慮し、試合開始を12時からに変更すると発表した。

 最後の打者を空振り三振に斬ると、上茶谷はグラブをたたいてマウンドを降りた。「変化球もストレートも低めにいっていた。調子が悪い中でも完封できたのは良かった」。この日最速となる147キロの直球と、スライダーなど多彩な変化球のコンビネーションがさえた。三塁を踏ませず、今春開幕戦(対中大)以来、リーグ戦2度目の完封勝利に、充実感を漂わせた。

 フォーム修正が生きた。6勝を挙げた今春は、フィニッシュで右足を高く蹴り上げることで、重心が前に乗っていたという。しかし、今秋は右足の上がりが低く、ボールに力が伝わり切っていなかった。「2回から打者が後ろにファウルを飛ばしていた。直球の球持ちも良く、しっくりきた。好調時に近づいている」。最速152キロ右腕は改良フォームでファウルを打たせ、散発4安打で片付けた。

 視察したDeNA・武居スカウトは「(投球フォームの)重心の移動がスムーズ。直球も変化球もキレがある」と称賛。杉本泰彦監督(59)は、思うように三振が奪えなくても15個の内野ゴロを打たせた内容を「修正する力がすごい。器用なピッチャー」と評価。今春からめきめきと頭角を現したエースをたたえた。

 京都学園の先輩にあたるロッテ・大隣が現役引退を表明。自主トレなどで顔を合わせたことがあり「(キャッチボールの球が)言葉では言い表せない。やばかった。球速だけじゃなくて、直球のキレが大事だと感じて、それから直球のキレを意識するようになった」。偉大な先輩の影響で磨いた自慢の直球で、チームを4連覇に導く。(森下 知玲)

 ◆上茶谷 大河(かみちゃたに・たいが)1996年8月31日、京都市生まれ。22歳。小学1年から野球を始め、衣笠中では「京都東山ボーイズ」に所属。京都学園高では2年春からエース。甲子園出場なし。東洋大では1年秋に2部で初登板。今春リーグ戦で初勝利。駒大3回戦では20奪三振でリーグ新記録を樹立。6勝(2敗)を挙げMVP、最優秀投手、ベストナインを受賞。181センチ、85キロ、右投右打。

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