北翔大152キロ右腕・伊藤、同大初のプロ入りへ「育成でも行きたい」

スポーツ報知
ドラフト会議へ向け、心境を明かした北翔大・伊藤

 北翔大(札幌6大学)の152キロ右腕・伊藤宏太(4年)=岩見沢東高出=が17日、江別市内の同大で取材に応じ、1週間後に迫ったドラフト会議(25日)への思いを明かした。今春のリーグ戦で自己最速の152キロをマークし、秋のリーグ戦では3勝。8月のプロアマ交流戦では、日本ハムの2軍相手に2回2失点ながら3三振を奪った。大学4年間で球速が10キロ以上増した“北の剛腕”が、同大初のプロ入りを目指す。

 背筋を伸ばし、ゆっくりと口を開いた。1日にプロ志望届を提出した伊藤は「昔からプロに行きたかった。今は緊張感が強い」と、1週間後の「運命の日」を前に胸中を明かした。

 175センチ、83キロの体から今春のリーグ戦で自己最速の152キロを記録。8月には「北海道社会人・大学選抜」の一員としてプロアマ交流戦に参加。日本ハムの2軍相手に3三振を奪い「プロへの思いがより強くなった」と手応えを得た。

 岩見沢東高時代に甲子園出場はないが、プロを目指しリーグ優勝4度の同大に進学。4年間地道な努力を重ね、武器である重さのある直球を磨いた。参考にしたのは憧れの存在でもある大リーグ・ヤンキースの田中将大(29)。「(投球時に)なんで足を上げるのか、どうしたら遠心力を最大限に使えるかなど考えた」。自身の映像と見比べ、違いを確認。動作理論から見つめ直した。

 自らを「運動能力が低い」と話す伊藤。筋力トレーニングにも熱心に取り組み、入学時60キロだったベンチプレスの数値は100キロに増え、球速も入学時から10キロ以上アップした。148キロを計測した昨秋、プロ入りを「目指せると思った」夢の実現へ歩みを進めてきた。

 17日に東京都内でスカウト会議を行った日本ハム・大渕隆スカウト部長(48)は「(リストに)道内(選手)は複数いる」とコメント。プロ入りとなれば、2001年創部(前身の道浅井学園大時代を含む)の同大にとって初のプロ野球選手だ。「目標は155キロ。直球で勝負できる投手になりたい。育成でもいいから(プロに)行きたい」。緊張感を楽しみながら、運命の瞬間を待つ。

(宮崎 亮太)

 ◆伊藤 宏太(いとう・こうた)1996年11月30日、岩見沢市生まれ。21歳。小学3年の時に岩見沢東ブラックベアーズで野球を始める。岩見沢東高では1年夏に背番号18でベンチ入り。3年夏はエースとして北北海道大会8強。北翔大では1年春に初出場。リーグ戦の通算成績は30試合に登板し11勝7敗。防御率は2・11で奪三振は118。家族は両親と妹。右投右打。175センチ、83キロ。

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