【ドラフト連載】〈3〉明大・渡辺佳明、「渡辺監督の孫」から大学屈指のショートに

スポーツ報知
巧みなバットコントロールで安打を量産する明大・渡辺

 プロ野球ドラフト会議が25日に行われる。史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)ら目玉候補が脚光を浴びる一方、確かな実力を持つ逸材や異色の選手もいる。スポーツ報知では「輝く隠れスター」と題し、7回にわたって紹介。第3回は明大の渡辺佳明内野手(21)。

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 「プロ一本でいきます」。真っすぐなまなざしで力強く宣言した。渡辺は横浜高の監督として歴代4位タイの甲子園通算51勝を挙げた名将・渡辺元智氏(73)を祖父に持ち、巧みなバットコントロールで安打を量産する大学球界屈指のショートだ。

 横浜高時代も「5番・一塁」で甲子園に2度出場。“祖父孫鷹”として注目を浴びたが、スポットライトはいつも祖父の方に向けられていた。「高校の時は、あんまりでしたね」。同期に浅間、高浜(ともに現日本ハム)がいたスター軍団の中で、選手としては決して目立つ存在ではなかった。

 だが、大学で心身ともに大きく成長した。堅実な守備を買われ、1年春からリーグ戦に出場。三塁手で2度、遊撃手で1度と計3度のベストナインを受賞した。大学日本代表には3年時から2年連続で選出。東洋大の159キロ右腕・甲斐野央には、配球や投手心理を聞き、自身のレベルアップにつなげた。

 今秋はプロ入りに向けて猛アピールした。打率4割1分9厘はリーグトップで、通算92安打は現役最多。20日からの立大との最終カードで100安打の大台に挑む。調査書は7球団から届き、地元・横浜のDeNA・河原スカウティングディレクターも「広角に打ち分けられ、選球眼もいい。内野ならどこでも守れる実戦的な選手」と注目している。

 「もし悪い結果になったとしても後悔はありません」。己を信じ、進化を続ける渡辺が運命の時を待つ。(森下 知玲)

 ◆渡辺 佳明(わたなべ・よしあき)1997年1月8日、横浜市生まれ。21歳。小学2年から野球を始め、中学時代は中本牧シニアに所属。横浜高では1年秋から一塁のレギュラーで2年夏、3年春の甲子園に出場。大学では3、4年時に日本代表。リーグ戦通算88試合で打率3割1分1厘、0本塁打、31打点。180センチ、77キロ。50メートル走6秒2、遠投110メートル。右投左打。家族は母と祖父母。

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