【ドラフト連載】〈4〉八戸学院大・高橋優貴、現西武・多和田超えリーグ最多301K

スポーツ報知
ドラフトで上位指名が予想される八戸学院大の左腕・高橋

 プロ野球ドラフト会議が25日に行われる。史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)ら目玉候補が脚光を浴びる一方、確かな実力を持つ逸材や異色の選手もいる。スポーツ報知では「輝く隠れスター」と題し、7回にわたって紹介。第4回は八戸学院大の高橋優貴(21)。

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 4年間投げ続けて手にした記録を自信に、プロの世界へ向かう。高橋は今秋の北東北大学野球リーグ最終戦で、富士大・多和田真三郎(現西武)の持つ記録を2個更新する、リーグ通算301奪三振を記録した。

 「(多和田とは)1年の時に投げ合って、こういう投手がプロにいくんだなと思った。その人の記録を超えられたのは、4年間頑張り続けた成果だと思う」。同リーグ10季連続Vの富士大相手に、多和田や小野泰己(現阪神)ら後にプロ入りする投手と投げ合い、腕を磨いてきた。

 三振の取り方が変わった。最速152キロの直球が持ち味だが、チームを率いる正村公弘監督から、間の取り方や変化球の精度など、細かい点まで指導を受けた。高橋は「直球以外にストライクを取れる球種が増えたのが、4年間で1番大きい」。投球の幅が広がり、三振を取るすべが増え、投手として一回り大きくなった。

 楽天とのオープン戦で“プロレベル”を体感している高橋だが、一番最初に感じたのは東海大菅生時代だった。入学直前の2012年3月、当時浪人中の東海大・菅野智之投手(現巨人)が練習に訪れ、投球練習を間近で見た。

 「球の速さやキレ、全部が違った。あれに近づけるよう頑張ってきたつもりだし、近づいているとは思うけど、もっと近づきたい」と、言葉に力を込めた。全国的には無名だが、即戦力として期待の左腕だ。(有吉 広紀)

 ◆安部昌彦チェック

 西武・菊池雄星を粗削りにした感じです。スピードもあるし、左投手独特のクロスファイアー(右打者への内角直球)も鋭い。スライダーとスクリューは、ゾーンに入ったらプロでもなかなか打てません。ただし、高校時代に成功体験が少ないので、走者が出ると、ざわざわっとする感じがある。2軍の実戦で成功体験を積ませてあげて、少しずつ自信と実績を積み重ねていくと、変わっていくと思います。

 ◆高橋 優貴(たかはし・ゆうき)1997年2月1日、茨城・ひたちなか市生まれ。21歳。田彦小3年時に勝田スポーツ少年団で野球を始める。田彦中では友部シニアでプレー。東京・東海大菅生では1年夏からベンチ入り、3年夏は西東京大会準優勝。八戸学院大では1年春からベンチ入り。リーグ戦通算20勝。178センチ、84キロ。左投左打。家族は両親と弟。

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