立正大が9年ぶりV DeNA2位の伊藤裕季也が大会2発で有終の美

スポーツ報知
逆転の決勝本塁打を放ったDeNAドラフト2位の立正大・伊藤裕はナインに胴上げされる

◆49回明治神宮野球大会最終日▽大学の部決勝 立正大6―4環太平洋大(14日・神宮)

 9年ぶり出場の立正大(東都大学)が環太平洋大(中国・四国3連盟)を逆転で下し、初出場優勝した前回の09年に続いて秋の大学日本一に輝いた。DeNAドラフト2位の4番・伊藤裕季也二塁手(4年)が、1点を追う8回に今大会2本目の決勝弾となる左越え2ラン。6回に勝ち越し点の足がかりとなった自らの失策をバットで取り返し、有終の美を飾った。

 豪快にバットを振り抜いた両手が、ガッツポーズに変わった。1点を追う8回1死一塁。伊藤裕は初球の132キロ直球を左翼席中段に放り込んだ。日本一を決める逆転2ランだ。「狙ってました。4番の仕事をする場面だったし、何としても勝ちたかった。本当にうれしかったです」。ベンチに向かって雄たけびを上げてから、ベースを一周した。

 ハートの強さを見せつけた。同点の6回の守備。先頭打者の二ゴロを一塁に悪送球。ここからピンチを招き、一挙3失点。それでも「常日頃から、準備にこだわってやっている。それでエラーしたら仕方ないと思ってます」。引きずることなく、初戦(準々決勝)の九州共立大戦に続く2本目の決勝弾をぶち込んだ。

 9回の守備では、自然と目頭が熱くなった。「1年間、本当に苦しかった。いろいろと思い出したら涙が出てきました」。主将としてチームをうまくまとめられずに苦悩した日々―。優勝が決まると、解放感を味わいながらゆっくりと歓喜の輪に加わった。

 「これ以上ない結果で終われてうれしい。本塁打と打点、盗塁のタイトルが取れるような、井口監督のような選手になりたいです」。チームを日本一に導いた強打の二塁手は、大志を抱いてプロの世界に飛び込んでいく。(片岡 泰彦)

 ◆伊藤 裕季也(いとう・ゆきや)1996年8月30日、三重・四日市市生まれ。22歳。日大三では2年夏に甲子園出場もベンチ外。大学では2年春から一塁のレギュラーで、3年春から4番。同秋から1部に復帰し、今春から二塁。今夏は大学日本代表で4番も務めた。今秋は最高殊勲選手とベストナインを受賞。リーグ戦通算35試合で打率2割7分4厘、6本塁打、18打点。181センチ、96キロ。右投右打。

 DeNA武居スカウト「勝負強さと長打力が魅力。ウチには右打者が外国人2人と宮崎くらいしかいない。1年目からレギュラー争いに加わってほしい」

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