翔洋中、8強 エース松井が涙の雪辱

スポーツ報知
3回戦で宿敵を倒し、感極まって涙するエースの松井(中央)を翔洋ナインが笑顔で取り囲む

◆軟式野球 全日本少年春季大会第2日(23日・草薙球場ほか)

 東海大静岡翔洋中が初の8強入りだ。2回戦で明豊中(大分)に3―2、3回戦で仙台育英秀光中(宮城)に1―0で勝利。前回大会で惜敗した相手に雪辱し、力投したエース・松井天(2年)は感極まって涙した。県勢2チームが8強に残ったのは8大会ぶり。24日は準々決勝が行われる。

 こらえられなかった。7回2死一、二塁と一打同点のピンチを変化球で捕ゴロに仕留めると、東海大静岡翔洋中・松井の目が潤んだ。試合後のあいさつを終えると袖で何度も目元をぬぐったが、涙は止まらない。

 マウンドではいつもポーカーフェース。今月上旬の県選抜大会で優勝しても、喜びをほとんど表情に出さなかったエースが泣き続けた。「緊張から解放されて…。全員で勝てたことがうれしくて、涙が出てしまいました」。そんなエースをナインが囲んで肩をたたいて慰める。リードした袴田航旭捕手(2年)も「よく頑張って投げてくれた」と褒めたたえた。

 腕が振れず制球が今ひとつ。4回から登板した2回戦で3四死球、5回から投げた3回戦でも2四球を与えた。弓桁義雄監督(55)が「調子はよくなかった」というエースを、全員がサポートした。明豊戦の4回には、左翼の石川瑠輝(2年)が頭上を抜けそうな飛球を2連続で好捕。5回無死一塁では袴田が素早いけん制で走者を刺した。

 因縁の仙台育英秀光中戦では、9番・井端翔一郎(2年)が足を生かした。6回先頭で三塁前へのバントヒットで出塁すると、1死一、二塁から「行けると思った」と三盗に成功。3番・堀池潤多(2年)の二塁ゴロの間に貴重な1点をもぎ取った。育英には昨年の2回戦で0―2で負けており、「先輩たちも応援に来ていて、リベンジを果たせと言われていたんです。育英に勝つことがひとつの目標でした」と井端。監督も「バントも三盗もノーサイン。いい判断でした」と目を細めた。

 準々決勝では大阪代表の門真ビックドリームスと戦う。「松井をしっかりと助けたい」と袴田が言えば、エースも「全員で頑張って優勝したい」と必勝を誓った。開催地・静岡の代表として、まだまだ負けられない。(里見 祐司)

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