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「夏初戦で大苦戦」は全国制覇への吉兆? 2006年夏の早実もそうでした

2018年7月13日16時16分  スポーツ報知
  • 都杉並との初戦、7回から登板し3回を無失点に抑えた日大三・中村奎太

 13日の午前中、SNS上で高校野球ファンが速報を眺めながらエキサイトした。西東京の強豪・日大三が今夏の初戦(3回戦)で都立校の杉並に大苦戦したからだ。

 初回に2点を先行され、2回には追加点を献上。4回には3-3と同点に追いついたが、6回には再び勝ち越されるなど、ダイワハウススタジアム八王子には「番狂わせ、あるかも」といった空気が充満した。そんな中でもしっかり勝ちきった三高ナインの底力は立派だったし、難敵を追いつめた杉並は善戦を誇っていい。

 常勝を義務づけられているチームにとっては特に、夏の大会への「入り」は難しいと言われる。すでに夏2勝している杉並に比べ、第1シードできょうが初戦だった三高には硬さもあったことだろう。しかし、「夏初戦で大苦戦」から夏の甲子園でドラマを演じ、全国制覇に上り詰めた例もある。2006年の早実だ。

 同年7月16日、上柚木公園での都立校・昭和戦。早実は5回表に1点を先取しながらも、その裏にエース・斎藤佑樹(現日本ハム)が2失点。6回を終えて1-2と劣勢だった。「センバツ8強の早実が消えるのか」とマニア同士でガラケーを駆使し、激しくメールをやりとりしたことを思い出す。しかし早実は7回に同点に追いつくと、9回2死二塁から失策も絡んで二塁走者の斎藤が一気にホームイン。勝ち越して初戦を突破したのだった。

 もしあのまま昭和が逃げ切っていれば―。斎藤は甲子園のマウンドでハンドタオルを使うこともなく、早実対駒大苫小牧の延長15回引き分け再試合の死闘もなかった。そして初戦で苦しんだチームは、緊張感を糧にして、そのまま勝ち進むケースが多い。今夏、日大三のこれからの戦いざまに注目したい。(記者コラム・加藤 弘士)

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