村田修一、引退決断 NPBオファーなくBC栃木で今季全う 2000本まであと135本で…

スポーツ報知
今季限りでユニホームを脱ぐことになったBCリーグ・栃木の村田修一

 ルートイン独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブス(BC栃木)からNPB復帰を目指してきた、前巨人の村田修一内野手(37)が今季限りでの現役引退を決断したことが31日、分かった。これまでNPB球団への移籍を模索したが、移籍期限となる31日までにオファーは届かなかった。村田は自身を獲得してくれた恩義から、今季いっぱいはBC栃木でプレーする意向。レギュラーシーズン最終戦は9月9日のBC群馬戦(小山)の予定。1日には栃木県内で会見を行い、自身の言葉でファンへの感謝を述べる。

 男・村田が重い決断を下した。親しい関係者によると、NPB&独立リーグでの16年間の現役生活に別れを告げ、第二の人生をスタートさせるという。1日に今季限りでの現役引退を表明する意向だ。

 昨年10月に巨人から戦力外通告を受けて、自由契約となった。実績は申し分なく、貴重な右の長距離砲だけに、早々に新天地が決まるとみられていた。だが、他球団は全て若手を育成する方針を貫くなど、タイミングが悪すぎた。メジャー球団からの接触もあったが、3月上旬に絵美夫人の故郷を本拠とするBC栃木でのプレーを決断。自身の去就を決めるリミットをプロ野球の移籍期限となる7月31日に設定してきた。

 打高投低のBCリーグでは42試合に出場し、打率3割5分2厘、9本塁打、44打点と全力プレーをみせ、結果を残した。5月12日の古巣・巨人3軍との交流戦では右太もも痛でベンチスタートとなったが、決勝の代打逆転2ランを放つなど、巨人時代からの力の衰えは感じさせなかった。それでもこの日までに、NPB球団から声はかからなかった。

 現在は自宅のある神奈川県内から栃木へ単身赴任中。村田はNPB復帰に向けてプレーする環境を与えてくれたBC栃木に恩義を感じており、今季中は同球団でプレーするという。豪快な打棒だけでなく、将来のNPBを目指す若手も積極的に指導。観客動員も増えるなど、栃木のファンからの人気も絶大だった。9月9日が同球団のレギュラーシーズン最終戦となっているが、引退セレモニーが用意される可能性もありそうだ。

 歴代28位360発 記録を残し、記憶に残る男だった。横浜時代の07、08年に2年連続本塁打王に輝き、プロ入りから15年連続2ケタ本塁打をマーク。4度のベストナインに、3度のゴールデン・グラブ賞を受賞した。故障に強く、巨人ではFA移籍1年目の12年に日本一へと導くなど、14年までのリーグV3に不動の三塁手として貢献した。

 歴代28位の通算360本塁打を放ち、松坂世代初の名球会入りとなる通算2000安打まで、あと135本だった。「もう一度NPBで」との思いはかなわなかったが、ファンを魅了した“男・村田”の輝きは、決して色あせない。

 ◆村田 修一(むらた・しゅういち)1980年12月28日、福岡県生まれ。37歳。東福岡3年時に投手として甲子園に春夏連続出場。日大で内野手に転向し、02年ドラフト自由獲得枠で横浜(現DeNA)入団。07、08年に本塁打王。08年北京五輪、09年第2回WBC日本代表。11年オフにFA宣言して巨人へ移籍。三塁でベストナインを4度、ゴールデン・グラブ賞を3度受賞。17年限りで巨人を自由契約となり、今季からBC栃木に所属。177センチ、92キロ。右投右打。家族は絵美夫人と3男。

野球

×