【女子野球】創部2年のハナマウイ、強豪倒し2冠達成

スポーツ報知
女子野球のクラブ日本一を決め喜ぶハナマウイナインカメラ・軍司 敦史)

◆第13回全日本女子硬式クラブ野球選手権最終日 ▽決勝 ハナマウイ8―6アサヒトラスト(8日、千葉・袖ヶ浦市営球場)

 女子野球のクラブチーム日本一決定戦の準決勝と決勝が行われ、創部2年目のハナマウイ(東京)が、5度優勝している強豪・アサヒトラスト(東京)を破り初優勝。8月の全日本選手権に続く2冠を達成した。

 珍しいアロハシャツ柄のユニホームをまとったナインが、シーソーゲームを制しマウンド上で抱き合った。部員17人で2つめの頂点。「漫画みたいな展開でしたが、このままでは終わらないと選手を信じていました」胴上げされた森賢司監督は満面の笑みでナインをたたえた。

 ハナマウイは、森監督が社長を務める都内の介護サービス会社が、高校や大学を卒業した選手の受け皿として昨年設立したクラブチーム。侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」主将の出口彩香(26)ら実力ある選手が集まり、8月には早くも初の頂点に立っていた。しかしアサヒトラストは公式戦未勝利の相手。女子より10~20キロ球速が違う男子中学生チームとの練習試合で球速やパワーに慣れさせ、フルスイングで強豪に挑んだ。

 この日の決勝、ハナマウイは初回に先取点を許すが直後の2回に相手失策を誘い同点。さらに3回にも3点を先行されるが、その裏に反撃、先発の長池玲美菜(23)の適時三塁打に阿部希(19)、樋口楓(24)の適時二塁打が続き同点。さらに石塚ちづる(24)の適時打で逆転した。5回には2点を失い再び逆転されるが、6回に樋口が同点適時二塁打。さらに石塚のスクイズに樋口が頭から執念の生還、これが決勝点となった。

 「打たれたので打ち返したかった」と、自らのバットで反撃のきっかけを作った長池が話すと、石塚も「(スクイズは)来ると思っていたので、準備できていた」と冷静に振り返る。ともに元マドンナジャパン、元女子プロ野球経験者と実力は十分だが、「全日本を制したことで、選手に自信ができた」と森監督。フルスイングが大事な試合で強打に結びつき、28日開幕の、プロアマ交えた女子野球日本一を決める「ジャパンカップ」出場も決めた。古巣との対戦となる石塚は「もちろん勝ちたいですが、楽しんで戦いたい。(ハナマウイは)最高のチームです」と、仲間との“下克上”に意気込みをみせた。

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