【南北海道】函館ラサール、科学的トレで1勝つかむ

スポーツ報知
校名プレートの前でガッツポーズする函館ラサールの秋野(右)と水野

 第100回全国高校野球選手権(8月5日開幕・甲子園)につながる南北北海道大会(北14日、南15日開幕)の組み合わせが6日、決まった。北北海道では、初出場の紋別が、初戦で岩見沢農と顔を合わせる。市の援助を受けてきたナインが、北大会初勝利を届け、恩返しを果たす。南北海道では2年ぶり4度目の出場となる函館ラサールが、17日の1回戦で札幌日大と対戦。下級生主体のチームで大舞台に乗り込むが、ヨガで心を整えながら、南大会初勝利を目指す。

 大きく深呼吸をし、口を開いた。函館ラサールの水野開(かい)主将(3年)は対戦相手が決まり「相手どうこうではなく、自分たちらしい野球をして、勝利を重ねたい」と意気込んだ。

 最大の敵は、己だ。2年ぶりに挑む大舞台だが、バッテリー以外の7人が下級生と、経験値が高いとは言い難い。武田将知監督(31)も「慣れない球場(札幌円山)ですし、若いチームだから緊張しそう」と冗談交じりに笑う。だが、秀才軍団には秘策がある。

 ナインは道内屈指の進学校らしい、科学的根拠に基づいた練習を積んできた。南大会で威力を発揮しそうなのがヨガだ。「呼吸法は大切。鼻から吸って鼻から吐くんです。片方をふさぐタイプも良い」と水野。集中力向上やリラックス効果があるとされ、選手は予選でもベンチで実践。2戦目以降は緊迫した1点差試合を、逆転で勝ち上がってきた。1年夏にベンチ入りしていた秋野開(ひらく)捕手(3年)も「絶対緊張すると思うが、できる限り(緊張感を)取れれば」と自然体で戦う重要性を口にした。

 この日が最終日だった中間試験を、抽選のため“免除”された秋野は「勉強? 大会まではもう、しない。南では勝っていないので、何としても勝ちたい」と力を込めた。先輩がつかめなかった1勝へ―。円山の空気を活力に変え、文武で頂点を目指す。(宮崎 亮太)

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