【北福岡】“九州のゴジラ”折尾愛真・松井、逆転サヨナラ発進 スカウト9球団19人来た

スポーツ報知
北福岡大会1回戦の玄界戦で2安打を放った折尾愛真・松井義弥(カメラ・大谷 翔太)

◆全国高校野球選手権 北福岡大会 ▽1回戦 折尾愛真7x―6玄界(9日・北九州市民)

 “九州のゴジラ”がヒヤリ発進した。

 北福岡では、今秋ドラフト候補の松井義弥三塁手(3年)を擁する折尾愛真(おりおあいしん)が逆転サヨナラ勝ちで初戦を突破。190センチの大型スラッガーは2安打を放ち、視察に訪れた9球団19人のスカウトからは「糸井や柳田クラスの選手になれる」とスケールの大きさを評価する声が相次いだ。京都では、豪雨の影響で2日遅れて開幕。市内で避難指示が出るなど学校周辺も混乱した福知山成美が、不安を乗り越えて5年ぶりの代表を目指す。

 夢中でベンチを飛び出した。高校通算39本塁打を誇る松井は、逆転サヨナラ弾を放ったエース・野元涼(3年)を笑顔でホームに迎え入れた。「絶対打ってくれると思っていた。打った瞬間、いったと思いました」。自らも2安打を放ち、北九州市民球場に集結した9球団19人のスカウト陣に、高いポテンシャルの片りんを見せつけた。

 “九州のゴジラ”だ。日米通算507本塁打をマークした元巨人・松井秀喜氏(44)とは、共通点が多い。名字はもちろん、右投げ左打ちのスラッガーで、本家も高校時代の守備位置は三塁だった。「松井さんがヤンキース時代、テレビで見てました。最近、九州のゴジラとか言われるようになって、いじられるんです」と照れ笑いを浮かべる。

 ケタはずれのパワーも本家ゆずり。4000グラムで生まれ、中学入学時には身長はすでに180センチに達していた。ボールが飛びにくい軟球で、ホームから70メートル離れた場所にある3階建ての校舎の上を越える本塁打を放ったこともある。高校のグラウンドの両翼は96メートル。「詰まっても運ぶ。飛距離がとんでもない」とチームメートが舌を巻くほどだ。

 190センチ、89キロの体格に、俊足と強肩を兼備。一発は飛び出さなくても、スカウトは鋭く目を光らせていた。巨人・武田西日本統括スカウトが「スケールが大きい選手。柳田、糸井ばりの身体能力を持っている」と言えば、オリックス・古屋スカウトも「体が大きい割に、コンパクトなスイングができる。走力も含めていい選手」。底知れぬスケールを評価する声が並んだ。

 「僕もプロ野球選手になりたい」と松井。憧れの存在に近づくためにも、北福岡制覇を目指す。「甲子園に行くために、まずは必ずベスト4に入る」と力強く語る主砲が、その一発でチームを初の甲子園へと導く。(大谷 翔太)

 ◆松井 義弥(まつい・よしや)2000年6月18日、福岡・田川市生まれ。18歳。小1から野球を始め、金川中では同校軟式野球部で投手。高校では1年春からベンチ入りし、同年夏は「4番・遊撃」。2年夏は「4番・右翼」で福岡大会16強。今春から三塁手。投手としても140キロ級の直球を投げ込む強肩の持ち主で、50メートル走は6秒2。190センチ、89キロ。右投左打。

 ◆折尾愛真(北九州市八幡西区)1935年に創立された私立校。長く女子校だったが、2002年に現校名となり、03年から共学化。野球部は夏の福岡大会には05年から参加し、14年の8強が最高成績。甲子園出場はなく、主なOBは阪神・小野泰己。

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