【西東京】日大鶴ケ丘の二刀流・勝又、1回0封147キロ&3安打4打点 スカウト絶賛

スポーツ報知
6回から1イニングを投げ無失点に抑えた日大鶴ケ丘・勝又(カメラ・相川 和寛)

◆第100回全国高校野球選手権記念西東京大会 ▽2回戦 日大鶴ケ丘10×―0清瀬=6回コールド=(11日・上柚木公園)

 直球を振り抜いたバットが、気持ちの良い金属音を奏でた。日大鶴ケ丘が4点リードの5回無死一塁。勝又の打球は右翼フェンスを越えた。「自分が打ったら流れがくると思って、一発を狙っていました」。投手としても6回から登板し、最速147キロの直球とカットボールで無失点。さらには5番に座ったバットでも、3安打4打点。打者としての能力の高さを見せつけた。

 日米7球団のスカウト陣が目の色を変えた。剛腕の先発登板を期待して視察に訪れていたが、右翼手として出場。試合開始直後のネット裏には重苦しい雰囲気が漂ったが、一振りですべてを振り払った。3回1死満塁では、逆方向のレフトに2点二塁打。オリックス・古屋編成部副部長が「広島の丸をほうふつとさせる」とうなれば、ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「投打ともに魅力を感じる。球団初の二刀流もあり得る」と打者としても評価していくことを示唆した。

 打撃はまだまだ伸びしろだらけだ。2年秋までは主に野手としてプレーしてきたが、3年になってからは投手に専念。打撃練習はフリー打撃しか行っていない。「打撃はほとんど意識していません。プロにはピッチャーとして行きたいです」と言うが「高校通算本塁打? 30本くらいですかね」と数字に無頓着な姿からは、底知れぬスケール感が漂う。

 それでも、二刀流を捨てたわけではない。「打つのも好きなので、二刀流をさせてもらえるのなら是非ともやりたい。甲子園で根尾と対決したい」と、春夏連覇を狙う大阪桐蔭の根尾昂(3年)に挑戦状だ。東西の二刀流が、100回の夏を熱くする。(増田 寛)

 ◆勝又 温史(かつまた・あつし)2000年5月22日、東京・狛江市生まれ。18歳。小3から狛江ロッキーズで軟式野球を始め、投手も経験。中学時代は狛江ボーイズに所属し、主に外野手と捕手。高校では1年夏からベンチ入り。2年秋までは投手兼外野手。今年5月中旬の練習試合で152キロを計測。球種はカットボール、カーブ、スプリット。180センチ、76キロ。右投左打。

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