【和歌山】智弁和歌山、打倒・大阪桐蔭へ好発進 プロ注目林3安打&平田6回ノーヒッター

スポーツ報知
2回、智弁和歌山・林が左中間に適時二塁打を放つ(カメラ・伊井 亮一)

◆第100回全国高校野球選手権記念和歌山大会▽2回戦 智弁和歌山12―0高野山=6回コールド=(14日・紀三井寺)

 和歌山では、今春センバツ準優勝の智弁和歌山が6回コールドで高野山を破り、3季連続出場に向けて好発進した。今秋ドラフト候補の林晃汰内野手が3安打2打点、プロ注目右腕の平田龍輝(ともに3年)が6回参考記録ながらも無安打無得点を達成した。

 えげつない打球が中前で弾んだ。7―0の6回2死三塁、智弁和歌山の林は中前適時打を放ち、打線を再点火させた。その後に4点を追加し、一気にコールド勝ちを決めた。「大事なところで打てた」と林。逆風だったため高校通算50本塁打目はお預けとなったが、2回の適時二塁打を含めて3安打2打点。すべて中堅から逆方向だった。

 林に負けじと、投手の軸も快投した。最速144キロ右腕の平田は、6回参考記録ながらも無安打無得点を達成。2四死球と振り逃げの計3度しか走者を許さず、「真っすぐで押せた」と拳を握りしめた。DeNAの3人を含め、5球団8人のスカウトが視察。巨人の岡崎スカウト部長は「(林は)超高校級のいい打者。(平田は)制球がいいし、まとまっている」と熱視線を送った。

 今春センバツと近畿大会の決勝で大阪桐蔭に敗れ、公式戦は6戦全敗となった。高嶋仁監督(72)は「日本一のチームですから。決勝でチャレンジしたい。決勝で当たったら格好いい」と雪辱を期す。今月初旬の練習試合では、正捕手の東妻純平(2年)にアクシデントがあった場合に備え、中学時代に捕手だった林に途中からマスクをかぶらせた。本職が三塁の林は高校で2度目という起用に「ブランクしかない」と苦笑したが、指揮官は「十分、似合います。甲子園でやらせたら、スカウトがびっくりするんちゃうか」と、打倒・大阪桐蔭の“秘策”として準備している。

 とは言え、まずは2年連続出場で、王者への挑戦権を得るのが先だ。「100回大会は気にしていないが、100回大会に監督でおれるのがラッキー。帰ってすぐに練習します!」と高嶋監督。記念大会に名将と智弁和歌山が帰ってくるのを、甲子園は待っている。(伊井 亮一)

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