【南埼玉】川口市立“斎藤雅樹2世”星山、憧れ先輩まね転向のサイドで完投8強に導く 

スポーツ報知
サイドスローの投球フォームで完投勝利した川口市立・星山(左)と、巨人でエースとして活躍した斎藤

◆第100回全国高校野球選手権記念南埼玉大会▽4回戦 川口市立7―4埼玉栄(16日・さいたま市営大宮球場)

 南埼玉では、巨人・斎藤雅樹投手総合コーチ(53)の母校・川口市立(今春から統合で市川口から校名変更)が、埼玉栄のプロ注目右腕・米倉貫太(3年)を攻略。5年ぶりの8強入りを決めた。

 最後の打者を遊ゴロ併殺で打ち取ったサイド右腕エース・星山祥輝(3年)は、駆け寄ってくる仲間と抱き合って喜んだ。9安打4失点(自責2)で完投勝ち。暑さと連投の疲れで、6回頃から体が音を上げ始めていたが「応援が聞こえたので投げ切れました」。打っても4回に決勝の2点三塁打を放った投打の主役は、充実感を漂わせた。

 見事な攻略劇だった。埼玉栄のエース・米倉は、184センチの長身から最速145キロの直球を投げ込む本格派右腕。社会人・NTT東日本でも監督を務めた長井秀夫監督(59)は、カウント球に変化球が多いというデータに着目した。変化球狙いを指示し、2番手で5回を投げた米倉に7安打を浴びせて5得点。「データ通り」と納得の表情を見せた。

 “斎藤2世”だ。星山は昨年10月、サイドスローに投球フォームを変えた。動画投稿サイト「YouTube」で、巨人の大エースだった斎藤投手総合コーチの現役時代の映像を研究。「腕の振り方をマネしています」。持ち味である長いリーチを生かした大きな腕の振りは、大先輩とうり二つ。右打者の外角に逃げていくスライダーを武器にする投球術も、サイド転向で才能が一気に開花した点も大きな共通項だ。

 川口市立は、今年4月に斎藤コーチの母校・市川口が川口総合と県陽と統合して新たなスタートを切った学校だが、タテジマのユニホームなど野球部は市川口の伝統を継承している。「斎藤大先輩を超えて、強い川口市立を作りたい」と星山。この夏、斎藤コーチがエースだった82年など、過去3度の準優勝を上回る成績を残し、新たな歴史を築く。(宮下 京香)

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