【富山】ノーシード石動が快進撃で8強 エース村上&前田 バッテリーで3ラン×2本

スポーツ報知
3回に3ランを放った石動・前田は山田(左)とハイタッチ

◆第100回全国高校野球選手権記念富山大会▽3回戦 石動11―4不二越工=7回コールド=(18日・県営富山)

 3回戦8試合が行われ、ベスト8が出そろった。ノーシードの石動は、シードの不二越工に11―4の7回コールド勝ちで、9年ぶりに準々決勝に駒を進めた。2回にエース右腕の4番・村上貴紀(3年)、3回には前田直哉捕手(3年)と、バッテリーがともに3ランを放った。

 石動・前田は、メガネの奥で目を光らせた。7―0の3回2死一、二塁。高め直球に鋭くバットを出すと、打球は放物線を描き、左翼席の芝生で弾んだ。「その前にも同じような球があって、ファウルにして『悔しいな』と思っていたら、また来た。思い切り振ったら、たまたま入って良かった」と公式戦1号を照れくさそうに振り返った。

 168センチ、59キロの体格で、「小さいんです」と自認する。1年秋には腰を疲労骨折し、手術を受けた。「ずっと(骨が)くっつかなくて、痛いまま(野球を)やってきた。ウェートトレもあまりできなかった」。現在も腰にコルセットをしてプレーしている。

 それでもチームとして、バットの芯に当ててライナーで打ち返す「軽打」を練習する中で、非凡な打撃センスを発揮。中野祐輔監督(30)も前田を「本来はチーム打撃で中堅から逆方向(右方向)にライナーを打ってくれるが、(本塁打を)飛ばせるパワーも持っている」と高く評価し、3番を任せている。

 女房役に先立って、エースで4番の村上も2回に左翼へ3ラン。1回戦以来の今大会2本目、公式戦通算3本目となり「(今大会で)1本を目指していたのに…うれしいです」と笑顔。投げてもバッテリーで呼吸を合わせて不二越工の猛攻をしのぎ、大量リードで逃げ切った。

 21日の準々決勝では富山商と対戦する。春の県大会3回戦で1―8の7回コールド負けを喫した因縁の相手。前田は「富商を倒して、準決、決勝も勝って優勝したい」と、40年ぶり2度目の夏の甲子園を見据えた。(竹内 竜也)

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