【山梨】帝京三、悲願の初優勝へ4強 学校は避暑地も試合は灼熱「全員で集中できた」

スポーツ報知
日川に勝利し、ガッツポーズを見せる帝京三・阪

◆第100回全国高校野球選手権記念山梨大会 ▽準々決勝 帝京三3―2日川(19日・山日YBS)

 準々決勝2試合が行われ、4強が出そろった。帝京三は日川に3―2で勝利し、2年ぶりの準決勝進出。先発したエース右腕の阪誠也(3年)が日川打線を3安打に抑える好投を見せれば、主将で3番の東小橋川大(ありこばしがわ・だい)三塁手が初回1死二塁から先制の2ランなど4打数2安打2打点と援護した。

 3―2の9回2死無走者。144球目で日川の7番・風間日向を遊ゴロに打ち取ると、マウンドの帝京三・阪が右拳を握り、大きくジャンプ。2年ぶりの夏4強を決め、仲間と共に喜びを爆発させた。

 帝京三の投打の主軸が、持てる力を発揮した。初回から全力投球の阪は、2回に自己最速タイの141キロを記録。県内右腕最速の直球とスライダーを織り交ぜ、外角低めを丁寧に狙った投球で、5回まで無安打に抑え、出した走者は1四球のみ。各回3人で抑える満点投球を披露した。「テンポよく試合を作れた」と阪。序盤は直球で押し、疲れの出てきた中盤以降は変化球で打たせて取る投球に切り替え、アウトの山を築いた。

 右腕を援護したのが、3番の東小橋川だ。初回1死二塁で右翼席に高校通算42号となる先制2ラン。日川に追いつかれた直後の7回先頭でも右前打を放ち、すかさず二盗。2死二塁から6番・川越大輝の左前適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。「阪が踏ん張っていたので、自分も、という気持ちだった」。2回から6回までは0点に抑えられたが、ベンチでは一番大きな声で仲間を鼓舞し続けた。全員の気持ちを切らさず戦い、7回の勝ち越しを呼び込んだ。

 標高254メートルの球場に対し、帝京三がある小淵沢は標高800メートル超の避暑地。この日、甲府市内は試合終了直後の午後2時前に37・2度を記録したが、阪は「暑さは気にならなかった」とサラリ。東小橋川も「気温は関係なく、全員で集中できた」。接戦を制し満足の笑みを見せた。

 昨夏は、公立校の吉田に3―7で敗れ、初戦敗退。1年かけて、持ち味の打撃を磨きながら、走塁や守備の精度を上げる練習を重ねてきた。10年ぶりの決勝進出をかけ、あす21日、東海大甲府と対戦する。「自分の出来栄えがカギになる。今日のように冷静に投げ、確実にアウトを取りたい」と阪が話せば、東小橋川も「速球の方が得意なので、しっかり打っていきたい」と気合十分。投打のかみ合ったチーム力で、悲願の初優勝へと駆け上がる。(大津 紀子)

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