【石川】通算28発の金沢・森下恋太郎、甲子園への“恋”かなわず

スポーツ報知
4回に左前打を放った金沢の4番・森下

◆第100回全国高校野球選手権記念石川大会▽3回戦 遊学館5―4金沢(19日・金沢市民)

 3回戦4試合が行われ、遊学館が金沢を5―4で下し、2001年の創部以来18年連続の8強進出を決めた。プロ注目の捕手・牧野翔矢(3年)が“隠し玉”として公式戦初登板。4回4失点を喫したが、4番打者として2本の二塁打を含む3安打で勝利に貢献。01年以降の両校対決は14回目(うち決勝8回)で、遊学館の9勝5敗となった。金沢学院は金沢龍谷に延長12回、5―4でサヨナラ勝ちし、旧校名の金沢学院東時代の15年以来3年ぶりの8強入り。金沢商、飯田も準々決勝進出を決めた。

 亡き父と約束した甲子園を目指した“恋太郎の夏”が、終わった。高校通算28本塁打を誇る金沢の4番・森下恋太郎一塁手(3年)は「昨夏遊学館に負けて、このチームが始まった。遊学館がいたからこそ、ここまで本気になってやってこられた」と1年間を振り返った。

 「恋太郎」の名は、父が「すてきな恋をして、すてきなお嫁さんをもらえるように」と名付けたものだ。父は森下が小学2年の時、病気でこの世を去った。わずか2か月前に、姉を交通事故で失ったばかりだった。小学校に入る前から、父とキャッチボールをしていた。「甲子園に行きたい」。それが父子の夢だった。

 大学進学は経済的に負担もかかるため「将来は柔道整復師として開業したい。専門学校に行くことも考えている」という。「甲子園には行けなかったが、金沢高でやってきた3年間は最高だった」。目にはうっすら涙が浮かんでいたが、その笑顔は輝いていた。(成)

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