【北神奈川】東海大相模・西川、1年生4番が衝撃の場外弾デビュー

スポーツ報知
3回1死一、二塁、東海大相模・西川が左翼場外へ3ランを放つ(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念北神奈川大会▽3回戦 東海大相模9―0大和南=7回コールド=(19日・サーティーフォー保土ケ谷)

 今春センバツで4強入りした東海大相模(北神奈川)のスーパー1年生が、公式戦初安打が場外弾という鮮烈なデビューを飾った。千葉・佐倉シニア出身のスラッガー、西川僚祐が、3回戦の大和南戦(サーティーフォー保土ケ谷)に「4番・左翼」で出場。2点リードの3回に左越えに推定飛距離120メートルの特大3ランを放った。1年生が夏の神奈川大会で本塁打を打つのは、同校史上3人目。巨人前監督・原辰徳氏(59)もできなかった偉業を成し遂げた。

 白球はグングン飛距離を伸ばし、左翼場外へ消えた。2点リードの3回1死一、二塁。西川はフルカウントからの6球目、腕をたたみながら内角直球を振り抜いた。「バットの先っぽに当たったんですけど、つまった感覚はなかったです」。高校通算5号は、推定飛距離120メートルという規格外の特大アーチとなった。

 待ちに待った晴れ舞台だ。佐倉シニア時代、中学硬式野球日本一を決める「ジャイアンツカップ」で日本一に。決勝戦で東京Dの右翼席中段にライナーで放り込んだ。鳴り物入りで東海大相模に入学してきた。

 6月23日の甲府城西(山梨)との練習試合で初めて4番に起用されて以来、4番が定位置。夏の大会直前に行われる毎年恒例の大阪桐蔭との練習試合では、ダブルヘッダーにともに4番で先発。柿木蓮、横川凱(ともに3年)という左右のプロ注目投手に適時打を浴びせ、計3安打2打点。堂々の成績を残していた。

 だが、14日のチーム初戦(対厚木東)。万全を期して3年生を起用したことで、ベンチスタート。それでも代打で公式戦デビューすると、敬遠されるなど大物の片りんはのぞかせた。この日は、初戦で一発を放った4番・渡辺健士郎一塁手(3年)をベンチに押しのけての4番起用。門馬敬治監督(48)は「この大会は一発勝負。経験(させる)とも1年生とも思わず、使っていきます」と明言した。

 昨年11月、千葉・佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場で行われた巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(82)=報知新聞社客員=の野球教室で、長嶋さんに全国制覇を報告。記念の盾を受け渡された。その時、ミスターは自分よりも上背のある西川を見て「おっきいね」と目を丸くした。レジェンドも舌を巻くほどの威圧感で、この日も2打数2安打で2四球。公式戦デビューから出塁率10割を続けている。

 「ホームランも打てるし、打率も残せる」とソフトバンク・柳田に憧れる。スーパー1年生がこの夏、北神奈川だけでなく、高校球界全体を熱くする。(増田 寛)

 ◆西川 僚祐(にしかわ・りょうすけ)2002年4月19日、千葉・船橋市生まれ。16歳。小1から薬円台リトルスターで野球を始める。古和釜中では佐倉シニアに所属し、3年時に4番・主将として全国選抜とジャイアンツカップを制覇。186センチ、90キロ。右投右打。好きなものはメロンパンとロールケーキ。

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