【北北海道】旭川大高、9回2点差逆転サヨナラで決勝進出

スポーツ報知
サヨナラ勝ちを決め、歓喜の輪を作る旭川大高ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念北北海道大会▽準決勝 旭川大高9X―8旭川実(20日・旭川スタルヒン)

 準決勝2試合が行われた。旭川大高は旭川実との地元対決を9―8で制し、9年ぶりの甲子園に王手をかけた。9回裏、1死満塁から9番・中筋大介捕手(3年)の中前適時打で逆転サヨナラ勝ち。最高のムードで決勝に臨む。クラークはまたも強力打線が爆発。3番・土屋柚稀一塁手(3年)の4打数4安打4打点の活躍など、北見北斗に9―6で打ち勝ち、2年ぶりVへ「あと1」と迫った。決勝は21日午後1時から旭川スタルヒン球場で行われる。

 執念の打球が二塁手の頭上を越えて後方へ転々…。9回裏1死満塁から、旭川大高9番・中筋が意地のポテンヒットで逆転サヨナラの走者がホームに滑り込んだ。2回戦までノーヒットの絶不調打者が劇的な幕切れを演出。すべての感情を爆発させ、中筋は跳びはねた。

 ミス帳消しの値千金打だ。旭川実の2番手・坪井の制球難でチャンスを広げ、連続押し出しで同点。なおも満塁で、中筋はスクイズを失敗していた。2ストライクと追い込まれたが、「後ろにはいい打者がいる。三振でもいい」と全力スイングに切り替えたことがケガの功名に。「あれを決めるのが本来の仕事なんですが…」とヒーローは苦笑いした。

 三度目の正直で宿敵を倒した。旭川実には昨秋、今春の地区代表決定戦で連敗。「組み合わせが決まって真っ先に実業がどこにいるかを確認した」という。試合前日は全員で映像を見返し、相手投手陣の癖などをチェック。「最後は気合。やっと雪辱できました」

 反省材料もある。1年秋からマスクをかぶる経験豊富な捕手だが、この日の被安打11、8失点はいただけない。「リード面がダメだった。自分のせい」。7失策と守備の乱れも失点につながり、端場雅治監督(49)は「負け試合を勝たせてもらった。次はいい試合をしなければ」と浮かれ気分を排除した。

 それでもムードは最高潮だ。7回には地区予選で左足首を骨折した佐々木涼太中堅手も代打で復帰。中筋は「1週間前まで松葉づえだったのに…。自分も、もっと打たなければ」と拳を握る。9年ぶり甲子園へ、あと一つ。地元ライバルの気持ちも背負い、クラークにぶつかる。(石井 睦)

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