【山形】酒田南・伊藤海「アナコンダ」弾で4強
スポーツ報知
山形大会 ▽準々決勝 酒田南5―3山形城北(21日、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた)
快音を残した酒田南の4番・伊藤海斗外野手(2年)の打球は、あっという間に右翼フェンスを越えた。同点で迎えた6回、無死一塁。決勝の右越え2ランに「インコースを攻められて打てていなかった。あの打席は高めにきて、それを1球で仕留められたのがよかった」と笑顔で汗を拭った。
ようやく目覚めた。2、3回戦はいずれも5回コールドと打線爆発の中、計6打数3安打4打点。数字は悪くないが「不振でした。持ち味が発揮できていなかった」と振り返った。「三振してもいいからフルスイング」と誓って臨んだ一戦。ようやく出た本来の打球は、高校通算13号となった。
苦しい時間もあった。4月の部内暴力で春季大会を辞退。1か月の対外試合禁止処分を受けた。鈴木剛監督(37)は「(チーム全体が)しっかり振り抜いている。たいしたもの。バットしか振れない時期もあった。そういうのが報われるチャンスをもらっているのはありがたい」と話した。
24日の準決勝では第1シード・羽黒と対戦。伊藤海は「1本出て緊張はなくなりました」と自信をのぞかせた。187センチ、88キロの巨体と入部当時のクネクネした打撃フォームから、付いたあだ名は「アナコンダ」。その名の通り、どう猛に、相手投手を打ち砕いていく。(山口 泰史)