【富山】石動、3時間の熱闘制し35年ぶり4強

スポーツ報知
35年ぶりの4強進出を決め、笑顔で応援席へあいさつに向かう石動ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念富山大会 ▽準々決勝 石動6―4富山商(21日・高岡城光寺)

 準々決勝4試合が行われ、石動が今春のセンバツ出場の富山商に6―4で逆転勝ちし、1983年以来35年ぶりの4強に進出した。エース右腕・村上貴紀(3年)が7回途中で右足がつって降板するアクシデントもあったが、粘り強く乗り切った。富山第一は、富山東に10―9でサヨナラ勝ち。途中出場の榎壮馬一塁手(3年)が、9回に中前へ決勝の逆転2点打を放った。

 石動ナインは炎天下で3時間の熱闘を制し、拳を突き上げた。ノーシードから勝ち上がり、優勝候補の富山商を撃破。35年ぶりの準決勝進出に、応援席では歓喜のバンザイが起こった。

 石のように動じなかった。初回に先制ソロを許したが、2回に内野ゴロの間に同点。さらに2死一、三塁から重盗を仕掛け、勝ち越しに成功した。中野祐輔監督(30)は「重盗はサイン。先制されても慌てず、練習してきた自分たちの野球ができた」と、選手たちをたたえた。

 エースで4番の村上は、2―1の3回に2点二塁打で突き放す活躍。7回の投球中に右足がつり、3失点で途中降板も、2年生右腕の広岡憂哉が2回2/3を1失点で粘り、試合を締めた。

 リベンジを果たした。4月の春の県大会3回戦で、富山商に1―8の7回コールドで大敗。ナインは小矢部市の学校に戻るとすぐに、「夏は富商を倒して、てっぺん取ろうぜ!」と同市内の稲葉山に登った。標高約350メートルの頂上まで、みんなで悔しさをぶつけながら走り、チームが「打倒・富商」で一つになった。

 富山商のエース右腕・沢田龍太(3年)からダメ押し二塁打を放つなど、この日3安打の主将・丹羽晃駿(こうしゅん)中堅手(3年)は「稲葉山の頂上で撮った写真は、みんな疲れていたけど晴れやかな表情だった」と明かす。各自がその写真をスマホの待ち受け画面などにして、共有してきた。

 「甲子園を狙えるところまで来た。あと2つ。全員で一つの試合に全力で挑む」と丹羽主将。今大会、全4試合2ケタ安打で大きな山を越えた石動が、40年ぶりの富山の頂上まで一気に駆け上がる。(竹内 竜也)

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