【東兵庫】報徳学園・小園、ハンパないって!V37号で滝川二に雪辱

スポーツ報知
滝川二に勝ち、応援席に向かって駆けだす小園(手前右端)ら報徳学園ナイン(カメラ・伊井 亮一)

◆第100回全国高校野球選手権記念東兵庫大会 ▽4回戦 報徳学園4―2滝川二(22日・姫路ウインク)

 東兵庫で報徳学園が8強入りを決めた。今秋ドラフト上位候補の小園海斗内野手(3年)が7回にバックスクリーンへ決勝2ランを放ち、今春の県大会で敗れた滝川二に4―2で雪辱。サッカー日本代表FW大迫勇也(28)に関する「大迫、ハンパないって!」の流行語を生んだ同校から、「小園、ハンパないって!」とエールを送られた。

 快音を残した打球が、中堅バックスクリーンに飛び込んだ。1―1の7回1死一塁。報徳学園・小園が高校通算37号の勝ち越し2ランを放った。「甘かったのでフルスイングした。球場で中堅に打ったことがなかったので驚いた。一番、貴重な本塁打になる」。高校生の打球が姫路の中堅120メートルを超えることはめったにない。「そんなんできひんやん。普通!」。大観衆から、そんな感嘆の声が聞こえてくるかのような一撃だった。

 決勝弾に、流行語大賞候補のあのフレーズが“母校”から飛び出した。試合後、報徳学園に千羽鶴を渡した滝川二の選手が「あれ、やれよ!」と仲間にそそのかされ、「小園、ハンパないって!」と叫んだ。小園は照れ笑いを浮かべつつ、仲良く記念写真に納まった。

 試合前は期する思いがあった。今春の県大会初戦。報徳学園は滝川二に1―2で敗れた。大角健二監督(38)は「春の県大会で負けて、あれだけ泣くチームは見たことがなかった」と振り返る。再戦が決まってから、小園は練習開始1時間前にはグラウンドに来て、バットを振った。

 苦杯をなめた時と同じ姫路の、同じ三塁側のベンチで雪辱した。2安打2打点2得点1盗塁の活躍に、3人態勢で視察した巨人の井上チーフスカウトは「走攻守で非常にレベルが高い。球界を代表する一流の遊撃手になる可能性がある」と絶賛した。

 4年連続で8強入りし、8年ぶりの聖地まであと3勝だ。「絶対に甲子園に行くという気持ちがある」と小園。ドラフト上位候補が率いる名門は、ハンパなく勢いに乗っている。(伊井 亮一)

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