【山梨】山梨学院“最弱”から8度目夏切符!連投リリーフエース垣越5回2失点

スポーツ報知
3年連続の夏の甲子園出場を決め、手で「3」を表す山梨学院ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念山梨大会▽決勝 山梨学院12―4帝京三(22日・山日YBS球場)

 決勝戦が行われ、山梨学院が初優勝を目指す帝京三に12―4で勝利し、同校初の3連覇で8度目の優勝を飾った。2回に4点を先制後は着実に加点。投げてはプロ注目のエース左腕・垣越建伸(3年)が4回無死一、二塁のピンチから登板、後続を断つと5回5安打3K2失点の粘投で、帝京三の反撃を許さなかった。夏の甲子園は8月5日開幕(抽選会は2日)。100回記念の夏、山梨学院が県勢初の全国制覇をかけた戦いに挑む。

 想定外の登板でも、自らの投球を貫き、垣越が優勝の立役者となった。5―0の4回、先発の鈴木博之が3連打に失策も絡み1失点。なおも無死一、二塁の場面で、吉田洸二監督(49)は迷わずエースをマウンドに送った。「想定より早かったが、相手がここからやってくると思った」と指揮官。垣越は「直球をコースに投げることを意識した」前日からの連投で背中に張りがあったが、この日最速の142キロを記録した直球で押し、後続を断った。

 その後も「無駄な四死球を出さないよう気持ちを落ち着けて投げた」。5回を投げ5安打2失点(自責1)、四死球1。9回は星野健太に託し胴上げ投手は逃したが「ずっと3人で頑張ってきて、ここまで来られた。みんなが守ってくれるから、安心して投げられた」とチームでの勝利を強調した。3投手の継投で四死球は2。11四死球の相手投手陣との差が勝利の分かれ目となった。

 “最弱”から頂点をつかんだ。始動時、昨夏のスタメンで残ったのは中尾勇介中堅手のみ。秋の県大会決勝は東海大甲府に3―14で大敗した。「試合経験が少なく、力も気持ちも弱かった」と吉田監督は当時を振り返る。

 精神面を鍛えるため昨年末、指揮官の故郷である長崎で合宿を行い、徹底的に山間部を走った。主将の清水雄登右翼手が「一番きつい練習だったが、あれで強くなれた」と振り返った思い出の日々をDVDに収め、この日の朝、全員で観賞。「あれだけやったんだから大丈夫、と気持ちを奮い立たせた」と主将は明かした。指揮官も「垣越ら投手陣を中心に全員が成長してくれた」。試合後のインタビューでは涙で声を詰まらせた。

 昨夏の甲子園は前橋育英(群馬)に5―12と初戦で大敗を喫した。1イニングのみ登板だった垣越は「悔しい思い出の場所だが、今度は楽しんで投げたい」。プロ注目のMAX146キロ左腕は背番号1番をつけ、雪辱の舞台に挑む。(大津 紀子)

 ◆山梨学院(甲府市)1956年創立の私立校、生徒数は1025人(うち女子は446人)。野球部は57年創部で部員数は74人。甲子園は夏7度、春2度出場。主なOBは元巨人の松本哲也氏、リオ五輪競泳銅メダリストの江原騎士。

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