【南神奈川】横浜・万波4番復活!135メートルバックスクリーン弾
◆第100回全国高校野球選手権記念南神奈川大会 ▽準々決勝 横浜12―0立花学園=6回コールド=(23日・横浜)
南神奈川では、横浜のプロ注目スラッガー・万波中正(まんなみ・ちゅうせい)右翼手(3年)が、横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃する特大弾。一時、打撃不振に陥り、背番号13で今大会に臨んでいるが、完全復活をアピールした。
強く、鋭い打球がハマスタのバックスクリーンに突き刺さると、誰もが息をのみ、そして歓声を上げた。3点リードの3回1死二塁。横浜・万波は緩い低めの直球を、体を開かずに振り抜いた。技ありの一発は推定135メートルの2ラン。同球場のバックスクリーンにたたき込むのは1年夏以来。4番の復活を告げる特大弾だ。
「苦しい思いもしてきた中で打ったホームランなので、1年の時よりもうれしいです」。高校通算39発は今夏の公式戦初本塁打。4打数3安打5打点で6回コールド勝ちの立役者となった。
挫折があったから、今がある。かつてのスーパー1年生は最終学年を迎えるも、背番号は13。春夏ともにベンチ入りは大会直前でのメンバー変更で滑り込むほどだった。レギュラー組だけが許される寮生活から、片道90分の通学生へ環境は一変。それでも腐らずに「原点に立ち返って一から見直そう」と決心した。朝練では1番にグラウンドに入り、下級生がやる準備を率先して行った。通学時間は読書で心身を鍛えた。最近では孫子の「兵法」を読み、リーダーシップを学んだ。
実直な努力が認められ、最後の夏、4番に返り咲いた。「精神的に成長しました。挫折を経験して心がブレなくなった。選手の鑑(かがみ)です」と平田徹監督(35)の信頼は日を追うごとに増している。自身の好成績にも「チームが勝つことが一番。日本で一番長い夏にするのが目標」と万波。日本一へ、横浜の4番に隙はない。(増田 寛)