【富山】高岡商王手!山田が10K&公式戦初アーチ「自分の人生で一番嬉しい試合」

スポーツ報知
7回10Kと力投した高岡商のエース左腕・山田

◆第100回全国高校野球選手権記念富山大会 ▽準決勝 高岡商13―6高岡第一=7回コールド=(23日・富山市民)

 準決勝2試合が行われ、高岡商は13―6の7回コールドで高岡第一を圧倒し、V2に王手をかけた。プロ注目の148キロ左腕・山田龍聖(3年)が、2回に公式戦初本塁打。3回までに6失点を喫したものの、力のある直球を武器に7回10三振を奪った。決勝は24日午後1時、富山市民球場でプレーボール。

 高岡商の本格左腕、山田がバットで魅せた。2回先頭で打席に立つと、真ん中寄りの直球をフルスイング。「甘い球を3球振って帰ろうと思っていた。みんなが騒いでいたら、入っていました」。ボールはぐんぐん伸び、レフト芝生席に飛び込んだ。ベンチに戻ると、メジャー流のサイレント・トリートメントで、全員から無視された。「びっくりしました。なんかサプライズでした」。次の瞬間、笑顔で祝福を受けた。

 マウンドでは、3回に満塁弾を浴びた。「本来の投球が出来ず、ボールにも力がない。みんなに『気持ちを切り替えろ』と言われました」。4回以降は力強いストレートと変化球で押し込んだ。最速142キロをマークし、毎回の10奪三振を記録。高岡第一の勢いを食い止めた。

 8安打13得点と打線が援護。苦戦を乗り越え、「みんなが打ってくれて、立て直せた。自分の人生で一番嬉しい試合でした」と笑顔で振り返った。

 ネット裏では中日、日本ハム、DeNA、西武、ロッテ、阪神、広島の7球団が秋のドラフト会議に向け、最終チェック。中日の中原勇一スカウトは「これだけ腕が振れてないのに141キロも出ている。毎年5~6人しか取れないが、絶対に欲しい選手。12球団のチーム事情もあるが、3年間かけて育てたい球団もいるでしょう」と評価した。

 昨夏、148キロをマークし、評価が急上昇した。「去年の自分を求めたいけど、すぐには出来ない。今のピッチングで挑みたい」と山田。高い能力を秘めたエースが、決勝のマウンドにすべてをかける。(中田 康博)

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