【南埼玉】浦和学院、5年ぶり13度目聖地!蛭間の3ランなど17点

◆第100回全国高校野球選手権記念南埼玉大会 ▽決勝 浦和学院17―5県川口(23日・大宮公園)
南埼玉の決勝では、浦和学院が19安打17得点の猛攻で県川口に大勝。埼玉での決勝最多得点を更新し、夏の甲子園に5年ぶり13度目の出場を決めた。南神奈川では、横浜のプロ注目スラッガー・万波中正(まんなみ・ちゅうせい)右翼手(3年)が、横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃する特大弾。一時、打撃不振に陥り、背番号13で今大会に臨んでいるが、完全復活をアピールした。京都では酷暑対策として異例の“昼休み“を導入。この日最後の第4試合が終了したのは午後10時半すぎだった。
頂点に上り詰めた瞬間、中堅から猛ダッシュした蛭間拓哉は、一番最後に歓喜の輪に加わった。「なかなか甲子園に行けなくて『行けるのかな』という不安しかなかった。それでも、信じてやってきて良かった」。1年から名門の4番を任され、最後の夏は主将。重圧を乗り越えて自身初の甲子園切符をつかみ、満面の笑みで汗を拭った。
勝負強さを発揮した。1点を勝ち越した直後の2回2死一、二塁。甘く入った直球を引っ張り、弾丸ライナーで右翼席へ。「一本打ちたいと思っていた。決勝で打てて良かった」。今夏1号となる高校通算27号3ランで主導権を握り、19安打17得点の圧勝劇へ導いた。
プロ注目右腕の“離脱”を救ったのも、主将の力が大きかった。1年冬。190センチ右腕・渡辺勇太朗の姿が消えた。初めて迎えた冬の厳しい練習に、不安を覚えていたという。関係者が埼玉県内の自宅を訪問。チームメートも、復帰を呼び掛けた。蛭間は「今はキツイけど、最後に笑える時が来る。つらいけど、今は頑張ろう、と伝えました」。約1か月後。右腕は、仲間たちの元へ帰ってきた。
2年連続で夏決勝の先発を務めた渡辺は、5球団スカウトが視察する中、8回途中5失点(自責1)と雪辱。右肘痛から復帰した最速146キロ右腕は「支えてくれた仲間たちに感謝の気持ちがある。(将来的には)155キロを出したい。やっぱりロマンというか、スピードがあったら、それだけ目立つので」と目標を掲げた。
浦和学院は今春、県大会で6連覇を達成。それでも、夏の聖地にたどり着かなかった先輩たちの悔しさも背負っている。侍ジャパン高校代表候補にも選出された主将は「しっかり調整して、全員でつないで点を取っていきたい」。100回目の夏に、新たな時代を切り開く。(青柳 明)